「ユニフォームを通して日本を元気にする」方々への心の健康をサポート
残念ながら今年も大きな災害が各地で生じています。
九州,中国,四国地方で豪雨災害に見舞われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
毎月11日はストレスマネジメントの日
“心の傷をケアすること”とは,傷を消すことではなく,傷を受けた辛い体験に伴う自分の反応に対してセルフケアできるようになることだとお伝えしました。
これは,日常生活でのストレスケアにおいても同じです。
ストレスを無くすのではなく,ストレスとなる出来事に伴う心と身体の反応に対してセルフコントロールできることが大切です。
では,セルフケアやセルフコントロールのためにできることはどんなことでしょう。
今回は傷をケアする本人側について書いてみたいと思います。
心のケアの第一歩は「自分の心と身体に注意を向けること」
以下のようなエピソードで考えてみましょう。
海で大切な人を亡くした子ども(Aさんとしましょう)が友達と一緒にTVを観ていました。突然,画面に美しい海の映像が流れ,Aさんは不意にチャンネルを変えてしまった。すると友達が「見ていたのに。変えないでよ」と言うので,Aさんは不機嫌になって友達を嫌いになってしまった・・・。
恐らく,Aさんが海の映像に触れた時,心と身体に不安や恐怖,またはドキドキしたり,緊張したりなど,何らかの不快感が現れていたはずです。本当は不快感を避けようとしてチャンネルを変えた行為なのに,自分に注意を向けなければ不快感に気づくことができません。Aさんは友達から不機嫌にさせられたと感じて友達を嫌ってしまうのです。
もし,Aさんが自分の不快感をキャッチすることができ,「僕,海見るのが嫌なんだ」と不快感を自分のものにできていれば,友達を嫌う必要はないのです。
日頃,自分の内面にある不安や怒り,悲しみや抑うつといった一見ネガティブで遠ざけたくなるような感情であっても,それを味わうことは悪いことではありません。
現代人は,ネガティブな考えや感情よりもポジティブな考えや感情を大切にし,影のような出来事よりも光が当たる体験を求めがちです。しかし,怒り,悲しみ,ガッカリすることもあるし,日の当たらない体験をすることも多いのが人生ではないでしょうか。
ネガティブもポジティブも,良いも悪いも,陰も陽も同じように全部あって一人の人間であり人生だと思います。
自分の心と身体に注意を向けて,今の自分が遠ざけている感情に気づき,それを手なずけておくことが心の健康を保ち豊かな人生を送るためのコツなのかもしれません。