こころに寄り添う「絆のワーク」
あなたが苦手な出来事は何ですか?
例えば,先生や上司,動物や昆虫,人混みや満員電車,エレベーターやトンネルなどなど…。日常生活の中で,苦手な人や避けたくなる出来事は誰にでもあるものです。
苦手な出来事を克服するストレスマネジメント
自分の苦手な出来事を,動作とイメージ,リラクゼーションを使って軽減させるストレス対処スキルがあります。
苦手な出来事に関するエピソードをピックアップし,ストレスが低いものから順番に克服していく方法なのですが,日常生活の中でのちょっとしたストレスには優れた対処法です。
ケムシが苦手だった私は,木からケムシが身体に落ちてきても今ではへっちゃらです。
難しい心理学の知識などまったく必要はありません。ただ,この対処スキルを身につけるためには,スキルの練習ができる安全な場と,適切に練習できているかどうかを見守る心理専門家が不可欠です。
ざわついた目的意識の低い集団の中ではリラックスすることなどできませんし,イメージに圧倒されてしまうような体験をしてしまわないような配慮も必要です。安全感のない場や心理専門家以外による活動はやるべきではありません。
過日,長期的な視点で心の健康に取り組んでいる学校でこの活動に取り組み,大変好評で効果がありました。
しかし,この活動に取り組むことができたのは,彼らがすでに4回ストレスマネジメントを体験し,集団で取り組むことができる安全の場づくりができており,イメージトレーニングやリラクセーションの練習をしてきた過程があったからでした。
日常的なストレスに有効なスキルが身についていれば,仕事や生活での強いストレスや,自分らしさが脅かされるような出来事に遭遇した時に,今度は個人の心理カウンセリングの中で,問題や課題にしっかり取り組むことができるのです。
全国には心の健康を促進するために長期的な視点でストレスマネジメントに取り組んでいる学校や会社が存在します。
しかし,多くはまだまだ年に一度の講演会やセミナーだけというのが実情なのかもしれません。
あなたの職場はいかがでしょうか?
もちろん何もしないよりは良いでしょう。
しかし,野球に喩えれば,バッティングの理論を本やYou-Tubeなどでいくら学習しても,実際にバットを振ったことがなければピッチャーの生きたボールを打てるようにならないのと同じようなことではないでしょうか。
プロ野球の選手や少年野球の子ども達がスキルを身につけ技術を向上させるために毎日素振りをしています。そして,その素振りは本番の試合で活かされているのです。
私は,ウェルビーイングな人生に向けた心の健康づくりのために,素振りをするが如くストレスマネジメントに取り組み,試合に臨むが如く心理カウンセリングに取り組むようになる文化が根づくことを願い活動しています。
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