精神的回復力「レジリエンス」と心理カウンセリング
春夏秋冬,1年間の生活の中では,ストレスがたまりやすい時期とそうではない時期があります。
昨年末に冬季うつについて投稿しましたが,さわやかな気候のこの時期にも「五月病」が知られています。
GWが明けてからストレスで苦戦している方も多いのではないででしょうか?
5月17日(水) YBSラジオ朝の情報番組「ラララ♪モーニング」に出演します。
五月病について話をしますので,ぜひお聴きください。
ここではラジオで話していない「五月病」について書いてみようと思います。
ChatGPTでAIが答える「五月病」
ChatGPTで五月病について質問してみました。
「五月病とは,新年度の新しい生活環境に移行する際に,ストレスや疲れが原因で体調を崩す現象のことを指します」とのことでした。
ストレスが原因で,生活習慣が乱れたり,人とのかかわりを避けたり,仕事や学校生活などの問題が生じたり,といった様子を五月病と言うようですね。
里山マインドの「五月病」とは?
里山マインドで「五月病」の解釈をご紹介します。AIが決して回答しない「五月病」の考え方です。
5月,私は人間だけでなく植物もストレスを感じやすい季節だと思っています。
例えば,山の木々達は春になるまでジッと身を固め,暖かくなってくると硬いつぼみを膨らませ,やわらかくなって花を咲かせ,芽を出します。やがて若葉が茂り,新緑の季節を迎えます。
さわやかで心地よく,木々のみどりがとても美しい季節です。
しかし,この頃の木々は危険にさらされている時期でもあるのです。
芽吹いたばかりの若葉はやわらかく新鮮です。タラの芽や柿の木の葉など,若葉を天ぷらにして食べると最高ですが,生きものにとってもおいしく食べられる時期なのでしょう。
だから若葉には虫がつきやすく,危険な時期なのかもしれません。
もともと木々と一緒に暮らしている生き物,例えば,ミツバチであれば受粉してくれるありがたい存在なのだけど,アメリカシロヒトリやチャドクガのような外来種のケムシがついてしまったら大変です。
これから太陽の光をたくさん浴びて光合成をしようとする前に若葉が食べられてしまうのです。
若葉は,この季節を超えるとエナメル質のシールドができ,丈夫でしなやかな葉に変わり,害虫や細菌が入り込むことができなくなります。
そうなれば,梅雨時に水分を充分補給し,梅雨が明けて夏の太陽を目いっぱい浴び,光合成によって立派な実をつけることができるのでしょう。
私たち人間の心も木々と似ているように思えます。
4月,木々が一斉に芽吹くように,この頃はやる気や期待で頑張ることができる。
しかしまだそれは,若葉のようなやる気や期待です。少しでも思ったようにならないと不安になり,人と比べて傷つきやすい状態で,放っておけば,やる気は萎え期待はくじけてしまうのです。
この時期,木々には消毒が必要ですが,心にも消毒が必要ではないかと私は考えています。
心の消毒。
それは,ストレスチェックやストレスマネジメントを活用したメンタルヘルス対策です。臨床心理学の方法で実際にストレス対処を体験することです。心の健康について学ぶ機会です。もちろん心理カウンセリングもその一つです。
心のシールドができれば,多少のストレスをユーストレスとして活かすことができ,肯定的なマインドをたくさん浴びることができ,自分らしさが実現しやすくなるのだと思っています。