突然の寒波! 極寒の船の雪下ろし!
暦の上では春分の日を過ぎましたが、東北地方のこの季節はまさに三寒四温と言いますか、数日好天が続いたと思っても翌日には急に寒くなったりします。海洋散骨の予定が入っている日は何日も前から天候ばかり気になり、なんとも悩ましい日々となります。
そんな天候のなか、今回の海洋散骨は予定日の2日前に出航可能と判断し、翌日を予備日と設けてご依頼者様に決行をお伝え致しました。当日は東京、福島、秋田、そして地元酒田市からと総勢8名の親族の皆様が海洋葬参加のため酒田マリーナへ集合頂きました。
福島からご参加頂いたご親族は出港予定時刻より1時間ほど早く到着され、時間まで車中で待っておられたようでした。皆様お揃いの所でご挨拶、乗船中の注意やお願いなど、航海予定の説明と海洋散骨船YAMAHIRO号を背景に記念撮影を行います。
天気は晴れたり曇ったり、朝から気温も上がらず風が冷たく、女性の方々には暖房の効いたキャビン内にお座り頂き出港となります。定期航路の大型船等には皆様乗船経験もあるそうですが全長10メートル程の小型船は初めてとの事、船酔いなど体調面で少し不安も有りましたが、アフトデッキに座り冷たい風を受けながら少しも気にされる様子もなく、
「海から見渡す風景も最高で~す!」
マフラーを風になびかせながら笑顔で答えてくれました。
キャビン内のご婦人達も談笑し、私共もホッと胸をなで下ろしました。
散骨ポイントに到着すると飛島や御積島も霞んで見えて来ます。
3点鐘に合わせ静かに黙祷、スタッフも一緒に乗船者みんなで遺影に向い合掌。
故人様の在りし日を忍び遺影に向い手を合わせ入れ替わりに献酒、献水。
故人様はお酒が好きだった様で、皆様それぞれ鞄から一升パック、ウイスキーボトル、供物、おつまみまで・・・。
「最後だよ~、いっぱい飲んで~」
「ウイスキーに日本酒、悪酔いしないでね~!」
デッキのあちこちから笑い声に混じり故人へ優しく話し掛けるような声が聞こえてきます。
粉骨の流れ、消え行く海面に持ちこんだ花ビラを献花、そして折り鶴も海へ流します。
三点鐘の鳴り響く中、海面に広がる花ビラを大きく周回してお別れとなります。
小刻みに揺れるアフトデッキに腰を下ろし皆様手を合わせ静かに合掌。
気温が低く肌寒い天候ではありましたが、70歳代の故人の奥様をはじめ、乗船中皆さん元気で明るく談笑、冷たい風吹く中でも最後までご協力を頂きありがとうございました。早朝から運転移動された方もご苦労様でした、道中お気を付けお帰り下さい。
寒い中でしたが本当に皆様、終始笑顔でクルー一同も安心しました。
大変ありがとうございました。
今月も月末に掛けて千葉、東京の方より2件の海洋散骨葬の予約が入っております。
その日が穏やかな海でありますよう願うばかりです。
山形での海洋散骨をお考えの方は・・・こちら
遺品整理 高級介護マンション 書道家 宗教家 仏画 般若心経
今月初め、ネット検索より当社ホームページを見たと言う方からお電話を頂きました。
他県にお住まいの50代の男性から遺品整理のお見積り依頼でした。
数日後に遺品整理現場での立会い見積りとなりました。現場はセキュリティーもしっかりとした大変綺麗な高層介護マンション。最上階突き当たりのお部屋、2LDKですが大変広い間取り、ベランダ付きで設備も真新しく最近の建物のようです。トイレなどはドアを開けますと電気が灯り、座面も自動オープン、室内あちこちに緊急呼び鈴ボタンも装備されており、フローリング面もワックスがけ直後のような艶があります。
聞けば他県より引っ越しされて2年余りとのこと。
一見すると身の回りや生活品を事前整理されているようにも見えましたが、2年前に他県から引っ越し持ち込みされた状態で長期保管そのままらしく、今回ご依頼された方は何がどのように仕舞い込まれているか不明だとか・・・。遺品整理作業をしながら一緒に点検作業を行いたいとのご依頼でした。
住人には子供さんがおらず甥っ子にあたるご依頼人が入居時の保証人でもあり、祭祀継承者(相続人)になったとのことでした。介護施設から叔母さんが倒れたとの緊急連絡を受け、他県から駆けつけマンションに付く頃には最期にも間に合わず枕元で看取ることも出来ずにその数日後の家族葬、火葬、納骨と、これら全て半月ほど前の出来事だそうです。
ご依頼者様も呼び出された際に来られただけで、生前訪問する事も無く、全く何が何だか、どこに何が有るかも不明、手の付け様がない有様で、このような突然の相続というのは最近特に多いご事案となります。
10畳間ほどの居間にはお仏壇など毎日供養されていた場所が2カ所、本来旦那さんのご位牌を納め供養されている仏壇が一基、フローリング床面に旦那様の遺影と共に写経、仏画、仏像などまとめ供養されている所に確認しただけでも数珠6本、それぞれに焼香台も備わっております。
信仰深く元は書道家でもあり自身が書き作成された額装品が窓際に整理され鎮座しております。各押し入れの中も額縁が多数収めてあります。キッチン、浴室などは余り使用された形跡はありません。専属設備、介護人が定時に訪問、食事は3度ともマンション食堂内で済ませていたようでクリーニングも何もかも、もちろん自炊することもなく調理器具、食器類も余り備わっておりません。
医療ベッドを除けば家財は少ないようにも見えますが、プラスチック製衣装ケースとダンボール箱がまとまって何箱もあります。
30分程の下見作業で、大まかな見積り金額を提示させていただいたところ、
「明日の朝から直ぐに作業に入ってください、お願いできますでしょうか?」
突然のご依頼ですが、急を要する理由もあるのでしょう、他県から奥さんも明日駆けつけ作業に入りたいとのこと。仕事勤めされてる方で休みの関係もあるようです。
「了解しました」、と返事をしましたがそれからが大変でした。
帰社途中、何度となく会社との連絡で作業員の確保、段取り、会社に着く頃には6名の作業員を確保して翌日朝より早速作業開始となりました。
一部屋毎の荷物の開梱作業、中身の把握と依頼主へのお知らせ、搬出許可頂いた物を別途仕分けしながら再梱包して搬出と、単純作業のようでも大変気を使う細かな作業の連続です。
介護マンションという事で、通路を通るのも騒音などできるだけ他の住居人の迷惑とならないように配慮し、またセキュリティー対策のため出入り口を開けっ放しでの作業が出来ない為、出入りする度に管理人さんへの申告も大変でした。
重い荷物は冷蔵庫とテーブル類が少々、仕分けと搬出作業で5時間ほど要しましたがガランとした室内に掃除機をかけて、拭き掃除など仕上げ作業を行って無事完了しました。
作業終了後、各室内のご確認を頂き後先なりましたが契約書締結、作業代金のお支払いを頂き領収書発行。
最後に介護マンション管理人より設備(エレベーター内や通路など)の点検をして頂き、全ての作業終了となりました。
前日依頼の急な作業ではありましたが今回も感謝の言葉を頂きなら帰社となりました。
翌日から持ち帰った積み荷の処分で各センターへ持ち込み処理、譲り受けした商品の清掃に分別など、2日掛かりの仕事となりましたが整理中に仏画が多くてそのまま廃棄も出来ずどうしたものかと思考中です。
今回の遺品整理作業現場の写真は・・・こちら