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入澤和志郎

遺品整理士山形県第1号!29年以上の実績を誇る遺品整理のプロ

入澤和志郎(いりさわわしろう)

有限会社 風車

コラム

末期癌患者 生前整理で想う事

遺品整理

2018年5月24日 / 2018年6月16日更新

今回の遺品整理作業は、某生活支援センター入居者のご家族様からのご依頼という事で生前整理の見積り問い合わせがありました。
見積り当日に作業現場となるアパート前で待ち合わせ。現場は何棟も並ぶアパートやマンションが立ち並んだ住宅区となります。お部屋は2LDK、玄関からすぐにキッチンとリビング。浴室とトイレ、奥が二間続きの和室。
見積りは生活支援センター職員の方より立ち会い頂き、その際伺った話しでは、今回作業させて頂くお部屋にお住まいの方は若くして末期癌とのこと。生活行動など制限されるため都会で暮らす弟さんのご依頼で当社にご連絡下さったとの事でした。
ネット検索から当社のホームページを見つけ、過去の作業実績やマイベストプロのコラムなどを読んで当社に決めたという事のようでした。

住人は近年まで自営業を営み、代々続く地元商店の長男としてご両親が亡くなった後も一人奮闘されていましたが、二十数年前から大型店舗などの進出が続き商売的に厳しい状況となり、数年前に自宅店舗を整理売却し、店じまいをされたとの事でした。
その後の生活はそれなりにゆとりもあったようですが、独身の方ということもあり、考える事、悩む事もいろいろとあったのでしょう。台所や押し入れ、あちこちから沢山の空のお酒パックが見られます。当初は綺麗にたたんで一束に紐で締め処理をされていたようですが、空箱をそのまま押し入れにしまい込んだものも見られました。
住人は現在一人では生活が出来ない体、病状も深刻で先々のことを考え今回アパートを明け渡す事となり、生前整理依頼となったようです。





作業日には弟さんと一緒に介護センターより外出許可を受けてご本人様も作業に立ち会いたいとの強い要望がありました。
自身の貴重品、手元に残したい物の品定め、買い取り希望や廃棄処分など指示頂きながらの作業となります。一品一品確認しながらの搬出作業となるため一挙に搬出は出来ませんが、住人様の希望でもありますので指示を受けながら時間を掛け作業をするよう対応致します。

見積書送付して一週間ほど経った後、生活支援センターより作業の正式なご依頼がありました。
そして作業当日、その日初めてお会いする弟さん、丁寧なご挨拶を頂きながらお兄さんの到着前に生活支援センターの職員さんを交えながらの作業段取り、祭祀財産(仏壇や仏具)の取り扱いなどについての打ち合わせ。
しばらくして介護センターの車が到着しました。職員さんに抱えられながら住人であられるお兄さんが入室。側にある椅子に腰を下ろしてご挨拶、作業の説明などさせて頂きました。やせ細ってはおりましたが確りとした受け答え、張りのある声と的確な作業指示を頂きました。

奥の和室には先の家業時の机に筆記用具、他にも沢山の事務書類が見えます。
押し入れにはハンガーに掛かる衣類の山、洗濯整理されたワイシャツや背広類にコート類の数々、それらを指差し、

「すべて処分願います・・・」

ご本人の指示ではありますが、ここに居る全ての人がこの言葉の意味する事を感じ取った瞬間でもあります。
衣類一着一着にご本人が目を通しておりました。その時その時の想い出、想い入れなどを考えていたのではないでしょうか・・・、無念さを感じます。
粛々と作業を進めてはおりますが二度と着ることの出来ない自分がそこに居ます・・・。仕事とはいえ、辛い作業の連続でした。

ご本人様は大まかな作業指示と気に掛かる品定めをして頂き、1時間程後に体調を考慮して早めに施設へ戻る事となりました。丁寧なご挨拶のなかに私共の労をねぎらう言葉まで、2年ほど住んだ部屋の隅々に目を配る寂しそうな後ろ姿がなんとも印象的でした。

ご両親のご位牌は弟さんが新たな祭祀承継者へ、お仏壇や仏具はお焚き上げ供養にとご指示を頂き、鶴岡市瀧水寺大日坊へ納め、改めて供養時の日取りをお約束して、この度の生前整理作業を無事に終了することが出来ました。
遠方より作業立ち会いのために来県、お問い合わせとご依頼頂きました弟さん、終始確認作業に努められた生活支援センター職員の皆様、お世話になりましたありがとうございました。           





海洋代理散骨 海好き・釣り好き・太公望 遺言

昨年5月に76歳の生涯を終えたご主人、長寿国、日本。近年では「若い」、「早い」と言われる世代です。
体調を崩されご家族の介護もむなしくこの世を去り、長年連れ添った奥さんを一人残し旅立ちました。

「海が好きで、釣りが好きで、あの世でも大好きな釣りが出来ますよう主人の海洋葬をお願いできますでしょうか・・・」

電話で開口一番、奥さんからのお話しでした。

「嫁いだ娘がお宅様のホームページを見付けお願いをしております、主人の遺言でもありますので・・・」

か細い声ではありましたが優しく丁寧な言葉で、

「その時に私も乗船できれば嬉しいのですが自分も足が弱くて・・・」
「全てお任せと考えております」

ご主人様がこの世を去って1年、自身のベッドの隣に祭壇を作り1年間に渡って供養していたと伺いました。時にはかすれ涙声で、大好きだったご主人さんとの思いで話をとつとつと語って頂きました。
昨今のテレビ報道、事件簿など殺伐としたニュースが多い中で、とてもほのぼのとする生前のお二人の人生、結婚生活、子育てまで・・・、とても幸せで仲のよろしいご夫婦だった様で、亡きご主人をとても愛し、感謝していることをお話し頂きました。

何度かお電話で海洋散骨書類のご説明、送骨時の注意やお願いなど、全ての内容を電話でやり取りさせて頂きました。
後日、送られてきたご主人様のご遺骨と一緒に手紙が添えられており私共へのお願い、托す想い、そして本当のお別れとなるご主人様宛ての文章が丁寧に書き綴られております。

ご遺骨をお預かりしてから数日、日本海に居座る低気圧、山形県庄内地方や最上地方には大雨や洪水警報、強風注意報が連日報道される日が続き、粉骨加工も終えその日に備えてはおりますがどうしたものかと考えあぐねておりました。
前日夜半まで波の高さ3メートル、風速12メートル。「海に出られる状況ではない」、そんな思いでおりましたが、当日は昨日までの天気が嘘のよう、波も落ち着き、当社クルーだけでの出港は可能と判断。さらに今日は偶然にもご主人様の丁度1周忌にあたります。「絶対出港しよう!」クルー一同そんな思いでした。

ところが酒田マリーナに着くまでが大変でした。
車が混み合い凄い人出、「何なんだ ?!」
本日は酒田港祭の本祭。「エ~~~!」
先々の天気や、次々と舞い込んでくる業務の事ばかりでそこまで気が付きませんでした・・・。
お囃子、笛や太鼓 山鉾に山車、それにはっぴ姿の踊り手行列と凄い人混みと車列、行き会う人も皆笑顔です。
これも何かの縁なのか、そんな想いで車中からのお祭りを見ながらようやく酒田マリーナに到着です。
港を出て外海に出ますと予想はしてましたが多少のうねりは残り、船上を横切る風も結構あります。空は正に五月晴れ、雪を抱く鳥海山もクッキリでこの日は一段と綺麗に見えます。



お祭りのためか漁師さんもお休みのようで、周りを見渡してみても他に船影は見当たらず、海洋散骨セレモニーとしては最高の条件です。
海面は少し濁りも入っておりますが、船上の祭壇と鳥海山が良く映えます。

奥様からの願いを想い出しながら心を込め、クルー皆で故人様の新たな航海の安全を祈念して合掌!大海原と故人様に捧げる献酒・献水。
その後、、献花を交えながらの散骨、静かな潮流れに乗り乳白色に衣替えしたご主人様が花ビラを伴い静かに船縁を離れていきます。
細く長い波のうねり模様に花道が出来ます。消えゆくまでお見送り、想いあっても乗船散骨の叶わなかった奥様の名代として無事に海の好きな旦那様を還す事が出来ました。







悪天候の続く中でのご依頼ありました今回の海洋代理散骨葬でしたが

「奥様、無事に終える事が出来ましたよう~!」

ひと味違った意味でもクルー全員がホッとした瞬間でした。
海洋代理散骨、ご依頼を頂きありがとうございました。




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