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父親の故郷山形の海での海洋散骨 父の仕事仲間や呑み友達が乗船

入澤和志郎

入澤和志郎

テーマ:海洋散骨

間もなく還暦を迎えられる方でした・・・。 
まだまだこれからという時に志半ばにして病に倒れ、先日この世を去った父親の海洋葬のご依頼でした。
ご家族、仕事仲間、呑み友達の方々5名が乗船されて海洋散骨葬を執り行わせて頂きました。

日程的にもう少し早目に予定してましたが、海の天候状況が悪く延期になっておりました。遠方から参加予定の方もおりましたが、急な期日変更により残念ながら参加を見送られた方も数名おりました。
今回乗船を見送られた皆様には安全航海の為とはいえ大変申し訳ございませんでした。

散骨当日、出港に先立ち船の横で皆さん記念撮影、その後ライフジャケットを着用頂き乗船中の注意事項、本日の海洋葬儀の航海予定を説明してからご乗船頂き出港です。

海洋散骨
出航前からご依頼者様よりお願いされておりました、故人様の好きだった音楽CD数枚をお預かりし、マリーナを出る時は大音量で美空ひばりさんの曲が船外スピーカーから流れます。

外海に出て10分ほど走った辺りで一旦停止、走っている時とは違い停船時は横揺れが結構あります。

「皆さんいかがでしょうか?この様な状態で海洋葬を執り行う事になりますがこの先大丈夫でしょうか?」
「ご気分の悪い方はおりませんか?」

この日は前日の波風の影響が少しばかり残っておりましたが、まずまずの海洋状態。
私共ですと「なぎ」と言う状態ですが、初めての方にとっては船が10度程傾くだけで大騒ぎとなります。
「大丈夫でしょうか?」

何度か繰り返す質問に笑顔で、
「この位は問題ありません。宜しくお願い致します!」

元気な皆様のお声を確認して海洋散骨ポイントへ移動となりました。
鳥海山も7合目辺りから上は雲に覆われ少し霞が掛かって見えます。
風力発電塔もゆっくりと廻っております。

海洋散骨
それでも暫くぶりの天気です、周りを見渡しますと遠くに漁船やプレジャボートも多数出船しております。
行き交う船の航跡のため船が時々大きく揺れ動き、この時ばかりは心配でしたが皆様船上からの景色、潮風にあたり気持ちよさそうで本当に安堵致しました。

散骨ポイントに到着し、いよいよ海洋散骨葬が始まります。乗船頂きました皆様に粉骨され小分けした御骨袋を手渡し海へ・・・。
静かに袋からこぼれ落ちる遺骨に、なにやら語り掛ける方も・・・。
御骨袋に手を入れてはパラパラと指先から海へ・・・。
さまざまな散骨光景が見えました。

散骨風景
海に溶け込んだお骨も静かに広がりゆっくりと流れていきます、故人様と生前の飲み会を回想してか、目頭を押さえながら献酒の際には
「こんな小瓶でお前酒足りるのか?」
「足りるはずないよな!」
などなど、故人様への声掛けが聞こえてきます。

潮止まりでしょうか?
雄大な海と故人様に捧げる献花、花ビラがいつまでも船の周辺から離れようとしません。

散骨花びら
いつもですと潮流れに乗り細く長い花道が出来ますが、
「いつまでも別れを惜しんでいるのでしょうか?一塊で船にずっと寄り添って来ますね」
などと私が一言・・・

息子さんも目頭を押さえながらいつまでも洋上を漂う花ビラを眺めておりました。
故人様の新たな旅立ちを、時も忘れ皆様静かにお見送りとなりました。

3点鐘と同時に最後のお別れです。
皆様で手を合わせ黙祷! 

「さようなら~ また来ます~!」

帰りのリクエスト音楽は、こちらも故人様が好きだったジャズ♪
皆さん目を閉じて10~15分でしょうか、湾内に入るまでハンカチを取り目頭を押さえる人、眼鏡を外しては涙拭く人、最後まで故人様との想い出に浸っているようです。
この時ばかりは私共も声を掛け難く、静かに見守っておりました。

この度も事故も無くご依頼者様のご要望にお応えする海洋葬が出来たことに本当に一安心です。
本日の天気にも感謝致しました。
港に戻り乗船頂きました一人一人とご挨拶、沢山の感謝の言葉まで頂き本当に有り難う御座いました。
お世話になりました。皆様お疲れ様でした。

今回の海洋散骨画像をギャラリーにまとめました・・・こちら

海洋散骨に関する詳細は・・・こちら

粉骨依頼 墓じまい お墓の中の蟻の巣 息子の死 母と姉 洗骨

県内在住の方から1年程前から粉骨についてのご質問を頂いておりました。

「その時は車で行きます。息子のお骨を粉骨してもらえますでしょうか?」

7年ほど前に若くして亡くなられた一人息子。菩提寺にお墓も新たに建て、葬儀も無事に終え納骨、それから数年後の出来事でした。

菩提寺さんからの突然の電話で呼び出しを受けて墓前で見た光景! 
本当にビックリです。

墓石の納骨棺入り口辺りから盛んに出入りする蟻の大群・・・!
早々に墓石屋さんと拝石を撤去し納骨棺を覗き込みますと真っ黒に変色したお骨が・・・
骨壺に収め埋蔵していたものでなく直接土間部位に納め入れた納骨棺スペース。
墓石の組み合わせ部位のセメント目地が剥げ落ち、その辺りから中へ入り込み巣を形成しているように見て取れます。墓石屋さんのお話では、先の地震の影響ではないかという予想でした。

お墓
ご依頼者様にもいろいろな想いや、先々の考えもある様で・・・
ご自身も間もなく古稀を迎える年齢になり、お墓を建てた時とは違って今は一人住まい。娘さんも都会に嫁ぎ故郷に一人残されたお母さんを気遣います。
親子でいろいろと考え抜いた結果として墓じまい、離檀をされるとの事。大変重い結論に至ったようです。

黒く変色したお骨を自らの手で何度も洗い落とし、そして乾燥作業・・・・
少しでも水分があれば又変色やカビなどの発生もありはしないかと、色々と思い悩んだ末に当社へのご相談となったようです。

数枚の契約書等にご記入を頂き、一通りの作業手順のご説明。
スタッフ一同、お持ち頂きました骨箱に向い手を合わせ、ご家族の前でそっと紐を解き、お骨を覗き見ますとそこには真っ白で大変綺麗なお骨が納められており、何度と洗骨と乾燥を繰り返した様がすぐに解りました。細かく小分けになり大きな部位は殆ど御座いません。何を思いながらのその作業だったのか、考えるだけでも胸が一杯になります。

粉骨機の音もいつもとは違い、一段と細かく仕上がりも大変綺麗になった様に思います。
散骨専用袋に4袋、その後真空パックを施し骨箱に戻し作業終了です。その様子を横で無言のままに終始見ていた母と姉、変わりゆく我が子の姿。

粉骨
この先の事を考えますと今こうする事が最善の方法では、と親子で確認しているようにも見えました。
「遠い先のことか・・・」「私が亡くなったその時は息子と一緒に・・・」そんなように考えているのかとも思われました。
この度の粉骨作業では、私共も色々な意味で考えさせられる作業となりました。
遠方からわざわざおこし頂き有り難う御座いました。

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入澤和志郎
専門家

入澤和志郎(葬儀)

有限会社 風車

・故人、ご遺族の状況や希望などに誠実に向き合い、最善を尽くした遺品整理を行います。ご遺品を供養しながら焼却する「お焚き上げ」や買い取りも可能です。故人とご遺族が安心できる整理を心掛けています。

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