故郷の海で海洋散骨 お母さんの遺言 メモリアルクルージング
今月初めに執り行った海洋葬ですが、当日はとても穏やかな海でした。
年明けからご相談頂いてました関東在住の方からのご依頼になりますが、亡きお母様は酒田市ご出身との事でご遺骨を故郷の海に還してあげたい、生前からお約束があったようです。
ご依頼者はお仕事の都合上来県が難しくご遺族が乗船しない代理散骨葬でのご契約を頂きました。特に散骨の指定日もありません、すべてお任せでのご依頼となります。
ご契約後に送骨して頂き同封書類など精査、全てご希望通りでしたので早々に粉骨加工を施し仮祭壇へ安置して静かに散骨日を待つ事となりましたが、事務所に戻り海洋状況を調べたところ翌日の海洋が数年に一度あるか無いかの絶好の散骨日和でこの日を逃しては、と急遽翌日の代理散骨となった次第です。
当日、マリーナをいつもより早めの時間帯に出航、周りを見渡しても漁船や僚船も見えず、海面はまるで湖のような静けさです。鳥海山も少し霞んではいますが麓から綺麗に望めます。
散骨ポイント海域に出た所で潮流れや風向きを見ながら船先を進路固定して静かに海洋散骨葬の準備をします。ご遺族様の乗船しない代理散骨ではありますが名代として故人様のお名前を読み上げセレモニーが開始されます。
献酒・献水、大海原へと旅立つ故人様の新たな航海の安全を祈念して静かにボトルを傾けます。そして海面に敷きつめた花びらの上から静かに散骨を始めます。
乳白色に衣替えした仏さんは入道雲のような広がりで静かに船を離れて行きます。しばらく船べりに留まっていた花ビラもご遺骨と一緒にゆっくりとゆっくりと船から離れて行きます。
30分ほどでセレモニーは無事に終了。今日の海洋は船の揺れもほとんど無く、ご依頼者様へ送付する散骨風景の写真も滞りなく撮ることができました。
送骨頂き受け取った翌日に散骨実施、恵まれた天候の中での散骨葬を無事に終える事が出来たことに私共も安堵しております。早速ご依頼主様へお電話にて海洋散骨終了した旨をご報告させて頂き、後日散骨証明書とスナップ写真など送付して今回の海洋代理散骨が無事に完了することが出来ました。
散骨出港日は地元日和山公園の桜も満開で桜並木に見送られながらの旅立ちでしたと、ご報告を入れましたところ、幼少期の帰省時にお母様とよく訪れた日和山公園が懐かしいです、との一文と共に感謝のメールを頂戴しました。
亡きお母様の海洋散骨葬をご用命頂き有難う御座いました・・・合掌
海洋散骨についての詳しくは・・・こちらから
5月~7月の海洋散骨
4月末予定してました散骨葬も強風の影響で2件程順送りとなりました。天気は良いのですが北西の風が強く波の高さ3メートル以上との予報、北海道では季節外れの吹雪予報も出ており、航行上の安全を考え順延とさせて頂きました。
県外から酒田まで長時間移動されて海洋散骨に参加される方も多く、ころころ変わる春の天気は大変気を揉む所です。順延となりますと乗船されるご遺族様一人一人の都合もありますし、交通手段のチケットや宿の手配などいろいろ大変な事も理解しておりますが、安全安心な航行を最優先と考えて決断しました。
今月予約の順延と元々ゴールデンウィークを挟んでのご予約と、来月は少し予約も込み入っており本当に天気が気になるところです。
また本年の海洋散骨は乗船を希望される方が多いように感じます。奥さんや旦那さん、子供さんも含めご家族で送りたい。そんな思いでご依頼されたご遺族の為にも当日は静かな海で送りたい、好天に恵まれることを切に希望しますが、こればかりは祈るしかありません。
春先の船の定期点検 北海道観光船KAZU1(カズワン)の事故後
あの悲惨な事故から早1年が過ぎます。テレビや新聞でもまた最近取り上げられ当時の船の管理者責任、整備管理、運航者責任などについて報道されておりますが、残念ながら今現在も数名の方が未発見のままです。
東北運輸局からの日常の自主点検表の提出義務、整備点検強化、船所有者への管理体制も必然的に強化され、関係書類提出などの回数が増え、先日も20項目からなる質問状が届き提出させて頂きました。
この時期は自分達で出来る点検に修理はもちろん、エンジン機関に関する部位は専門業者さんにもお願いして徹底したメンテナンスを行っております。本年は使用期間が一定期間過ぎた部品は全て交換として、新品への取り換えを行います。特に燃料系統、冷却水流系統は全て交換です。お客様のお命を預かる側としては当然の責務と考えております。
本年も海洋散骨シーズン到来です。一段と気を引き締め安全航海に努めるべく努力致す所存です。