建設業許可を取った後も手続きが必要です|決算変更届を出していない場合の注意点
■ 入札参加資格者名簿はR9年3月31日で期限を迎えます
山形県の競争入札参加資格者名簿は、2年ごとの入れ替えです。現在有効なのは令和7・8年度の名簿で、令和9年3月31日をもって効力を失います。引き続き公共工事の入札に参加するには、令和9・10年度分の入札参加資格審査申請をあらためて行い、新しい名簿に登載される必要があります。
前回(令和7・8年度)のときは、令和6年10月3日に県から申請の手引きが公表され、その後に受付が行われました。令和9・10年度の建設工事分の日程は、この記事を書いている令和8年8月26日の時点では、山形県のホームページで確認できていません。前回と同じ流れであれば、秋以降に情報が出ることになります。
■ 入札参加資格申請は、書類を出せば終わりではありません
公共工事を発注者から直接請け負うには、経営事項審査(経審)を受けていることが前提になります。これは入札参加資格とは別に、建設業法第27条の23で定められているものです。
順番にすると、こうなります。
決算変更届 → 経営状況分析 → 経営規模等評価(経審) → 入札参加資格審査申請
どれか一つが止まると、その先へ進めません。実務で多いのは、決算変更届が提出されていないために経審の申請に入れない、というケースです。数期分たまっている会社もあります。
■ 経審の有効期間は「審査基準日から1年7か月」です
ここは見落とされやすいところです。この1年7か月は、結果通知書を受け取った日からではなく、審査基準日(原則として直前の決算日)から数えます。
たとえば3月決算の会社で、令和8年3月31日を審査基準日とする経審であれば、その結果は令和9年10月30日までのものになります。手続きが遅れれば、実際に使える期間だけが短くなっていきます。
有効期間が切れている間は、公共工事を発注者から直接請け負うことができません。公共工事を続けて受注していくには、有効期間が途切れないよう、毎年決算のあとに受け続けることになります。
■ 決算日から逆算する
国土交通省の地方整備局でも、有効期間を切れ目なく継続するためには、決算終了後4か月以内を目安に経営事項審査を申請することが案内されています。3月決算の会社であれば7月末が目安です。
前工程を並べると、次のとおりです。
・決算の確定
・決算変更届の提出(提出期限は事業年度終了後4か月以内)
・登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請し、結果通知を受け取る
・その結果を添えて、知事あてに経営規模等評価(経審)を申請する
・審査を経て結果通知書が届く
・入札参加資格審査申請を、受付期間内に提出する
それぞれに日数がかかりますので、決算が終わってから動き出すと、通知が届く時期が読みにくくなります。決算月によっては、この時期から準備に入っておくほうが落ち着いて進められます。なお、入札参加資格審査申請でどの書類が必要になるかは、公表される手引きでご確認ください。
■ 電子申請という選択肢があります
令和7・8年度の申請では、建設工事、設計・測量・調査・コンサルタント、工事材料のいずれも電子申請ができるとされていました。
あわせて山形県は、建設工事の資格審査申請を電子申請で行った県内企業について、gBizIDプライムの取得など一定の要件を満たす場合に、発注者別評価点が5点加点されると案内していました。令和9・10年度の取扱いは、公表される手引きで確認する必要があります。ただ、gBizIDプライムの取得そのものに日数がかかりますので、お持ちでなければ先に手続きを進めておくとよいと思います。
■ 市町村の入札参加資格は、県とは別の手続きです
県の名簿に登載されても、そのまま市町村の工事に参加できるわけではありません。市町村ごとに受付時期も様式も異なります。山形県のホームページには県内市町村の受付日程一覧が掲載されており、次回の更新は令和8年度が予定されています。
県と市町村の両方を考えている場合は、どの機関に、いつまでに出すのかを一覧にしておくと、抜けが起きにくくなります。
■ 審査する側にいた立場から
私は行政書士になる前、約30年間、地方公共団体で公共工事を発注し、監督し、提出された書類を審査する側におりました。入札参加資格の審査も担当しています。
どの資料が何を証明するものとして見られるのか、どこが不足として返されるのかは、審査する側に立って初めて分かることが少なくありません。また、1級土木施工管理技士として現場の実際を知っているため、社長からお聞きした工事の話を、そのまま制度上の書類の形に置き換えることができます。
決算変更届が数期分たまっている、経審を受けたことがない、前回は自社で対応したが今回は手が回らない。そうした段階からのご相談で構いません。今の状況を整理するところからお手伝いします。
行政書士事務所みらい 行政書士 井苅清実
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