セミナー 当事者と共に「発達障害」を考える (6月13日)のご報告
○10月10日(土曜)は、「世界メンタルヘルス(心の健康)の日」(World Mental Health Day)です。
これには世界保健機関(WHO)も積極的にかかわり毎年テーマが違いますが、今年のテーマは
「メンタルヘルスにおける「尊厳」(Dignity)」です。
つまり、もし精神疾患(心の病気)になったとしても、人としての権利を迫害されず「尊厳」を持って生きら
れる、ということです。
具体的には、例えば自分自身の病気についての治療・処遇について十分な説明を受けること、そして
それについて意見を言い、治療・処遇方針の決定に関与すること、の機会を奪われてはいけない、
ということです。
これらのことは、身体の病気(がんなど)では今では当たり前といえますが、精神疾患の場合は必ずしも
そうではないといえます。
ただ精神疾患の場合は、当事者にいわゆる「病識(病気としての認識)」がない場合もあります。
しかし、認識がない背景には情報不足などの要因も考えられるため、逆によりていねいな説明が求め
られるともいえます。
○このメンタルヘルスにおいての「尊厳」があえてテーマに取り上げられるのは、いってみればそれだけ
心の病気に対する「偏見」が強いからといえます。
そのことが、ひいては心の問題・悩みを持った時に自分だけで抱えてしまい、かえって状況を悪化させて
しまうことにもつながっているのではないでしょうか。
○そこで「メンタルヘルス(心の健康)」を考える上で大事なことの一つは、心の問題を抱え自分だけでは
なかなか解決方法が見つからない場合は「他に援助を求める」、ということだと思います。
もちろん自分の力で問題解決できればそれに越したことはないのですが、うまくいかない場合は他に援助
を求めるのは合理的ないい方法だと思います。周りにある人的・社会的資源を最大限活用しましょう。
以上のことについて、私の以下の以前のコラムでも触れていますので参考になさってください。
①「人は心の悩みをどう解決するか」
http://mbp-japan.com/toyama/kokorosodan/column/1158/
②「カウンセリングを受ける前の、三つの一般的なためらい」
http://mbp-japan.com/toyama/kokorosodan/column/1199/
③ 「カウンセリングにおいての私の面接のやり方」
http://mbp-japan.com/toyama/kokorosodan/column/1216/
うつ心理相談センター
村田 晃(心理学博士・PhD University of Denver USA)
(臨床心理士)