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「携帯テキスト・メッセージで送れる気持ちと送れない気持ち」

村田晃

村田晃

テーマ:心理相談・カウンセリング

これからこのコラムで、心の健康についての最新のニュースを、英語で発信されている
インターネットの情報を駆使し、皆さんにお届けしたいと思います。

さて初回の今回は、「携帯電話でのテキスト・メッセージ(文字通信)と気持ちのコミニュ
ケーションの関係について」です。

なおこの内容は、エフエムいみず(79.3MHz) の私の番組、「心に元気を!大人のメンタル
ヘルス」(毎週水曜朝8時30分・木曜午後4時30分(再放送)でも今週話しています。

スマートフォンが全盛の今の携帯電話では、多くの人が携帯を会話よりも文字通信に多く
使っているように思えます。というのは、道を歩きながら、多くの人が携帯で話すのでは
なく携帯の画面を見ているからです。

ところで皆さんは、携帯でどの位テキストのメッセージを送ったり受けたりされているでしょうか。

実は、テキスト・メッセージ(文字通信)と人間関係についての最近の研究が心理学の専門誌(Journal of Couple and Relationship Therapy)に紹介されていました。

その研究の表題は、「テキスト・メッセージは、深刻な人間関係の事柄には向いていない」と
いうものです。

この研究は米国のブリガム・ヤング大学の心理学の研究者によって、276人の米国の若い人
を対象に行われました。その方法は、それぞれの対人関係の内容とその対人関係にどの程度
ハイテクを使うかについて質問紙で調査したものです。
276人中82%の人が親しい相手にテキスト・メッセージを一日2回以上送ると回答しました。

調査の結果は、やや皮肉ですが、常にテキスト・メッセージでつながっていることは逆に互いの
関係を疎外することがあるというものです。具体的には深刻な話題や、意見が一致しない事柄や
謝罪はテキスト・メッセージに向かないということです。

しかしテキスト・メッセージを使う利点も見つかりました。それは男女ともに、愛情をテキスト・
メッセージで表現することはお互いの関係を良くしたのです。

以上の結果を踏まえ、研究者はテキスト・メッセージの限界について述べています。

それは、テキスト・メッセージでは深いコミニュケーションに必要であるところの相手の
「息づかい」が伝わらない・感じられない、というのです。
例えば、失望を察知することや現実を吟味することは、文字情報を介してよりも直接面と
向かった場面でより早くできる、というのです。

実は私は、カウンセリングでも同じことがいえると常々思っています。
つまり、相手をより良く理解するには五感を最大限に使う必要があるということです。
私は更にいわゆる第六感(空気を伝わってくるバイブレーションのようなもの)も必要では
ないかと考えています。

ですから私は、個人的にはカウンセリングは直接の面接だけに限っています。というのは、
電話やEメールでは相談者から得られる情報が限られていて、十分相談者を理解できない
と考えるからです。

とにかくこの研究から得られる結論としては、「携帯でテキスト・メッセージを送るのは、
良いことや愛情表現だけにした方がいい」ということです。

なお、出典は次です。
http://psychcentral.com/news/2013/11/01/texting-not-ideal-for-serious-relationship-issues/61454.html

うつ心理相談センター
村田 晃(心理学博士)

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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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