「気候と気分の関係」の心理学
2月16日に富山県中部厚生センター主催の研修会で、うつについての講演をしましたので、その要旨を参考にしていただけたら、と思います。
村田 晃(心理学博士 PhD University of Denver USA)
4.うつの予防法
前回述べたうつになる原因(心理的要因・身体的要因や環境要因)のうち、自分の力で変えられるものについては予防が可能といえる。
(1)ストレスの要因を管理する。
a.体質面に、運動やリラクゼーションを通して働きかける(心身相関に着目し、行動から気分を変える)。
例:ストレッチ・笑いのヨガ・瞑想・腹式深呼吸・姿勢に気をつける (背筋を伸ばす)。
b.日常の環境を調整する。
例:十分休息する(十分な睡眠・栄養)。仕事を減らす。
(2) 物の考え方を変えてみる (合理的でない誤った物の考え方に基づいて、自分を矮小化したり、極端な考え方をしていないか調べてみる)。
(物の考え方 [認知] が気分に影響するという、認知療法の理論によるやり方)
例: a. 過度の一般化をしていないか (一つだけからすぐ結論を出していないか)。
b. 成功したことを無視して失敗したことだけに着目していないか。
c. 何でも自分の責任と考えようとしていないか。
d. 自分が何時も注目されている (特に失敗したとき) と思いがちでないか。
e. 何でも白か黒か (二者択一式) に考えていないか。
○ただし、うつになる原因のうちには、自分の力だけでは対処できないものがある(身体的要因など) ことから、
その場合は早期発見と早期治療に努める。