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うつについての講演要旨(その1)

村田晃

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テーマ:心理相談・カウンセリング


2月16日に富山県中部厚生センター主催の研修会で、うつについての講演をしましたので、その要旨を参考にしていただけたら、と思います。

1.うつとは何か

○うつという言葉は、憂うつや落ち込んだ状態を表す言葉として、一般的には広い意味で使われているが、いわゆるうつ病の診断は、感情面だけでなく、
 それに加えて、意欲面・行動面・認知 (思考) 面や身体面の症状も加味して総合的になされる。

具体的な症状: 
   感情面 抑うつ気分 (悲哀感や空虚感など) が一日の大部分で、殆ど毎日続く。
         あるいは周りから見て、涙ぐむなどの行動が認められる。

   意欲面  いろいろなことに対しての関心・喜びの気持ちが極端に減少する。

   行動面 落ち着きがなくなり、じっとしていられなくなる、あるいは逆に動きが鈍くなる。

   認知面 思考力や集中力あるいは決断力が著しく低下する。
         自分が無価値との思いや強い罪悪感を持つ。
         繰り返し起こる死の考えや自殺の願望、あるいは、自殺企図や自殺への具体的な計画が存在する。

   身体面 急激な体重の変化 (一月の間に体重の5%以上の増減) がある、あるいは食欲の変化 (減退あるいは増大) がある。
           [注:子供の場合は、予想される体重増加がないことに注目する。]
         睡眠障害 (不眠あるいは過眠)がある。
         疲労感・全身倦怠感がある。

○具体的なうつ病の診断は以下のようになされる。

 上記の各種の症状のうち、五つ以上が該当し、かつ、その中に、①抑うつ気分、あるいは、②関心・喜びの喪失、の何れかが含まれていること。
 また、その状態が2週間以上持続していること。
 また、その状態が社会生活や職業生活など日々の生活に大きな困難をもたらしていること。
 なお、上記に該当しても、その原因がアルコールなどの薬物や身体の病気に由来するものは除く。

 (以上の診断基準は、現在日本で一般的に使用されている、米国精神医学会発行の「精神疾患の診断と統計の手引」[DSM-IV-TR] に基づく。)

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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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