「ゴールデンウィークの憂鬱」について
心理学博士の村田 晃です。
今回から、私のうつに対する考え方を述べたいと
思います。
(1)結論を先に言えば、うつにはいい面もある
ということです。普通はとかくうつの否定的な面
(社会性の減退など)ばかり強調され、うつは忌み
嫌うべきものと捉えられていますが、私はうつの
持つプラスの面も考えるべきだと思います。
(2)この見方はやや奇異に思われるかもしれませ
ん。しかし、人間の歴史においてうつが長い歴史
を持つことや、うつは人種や性別を超えて存在
し、他の心の問題と比べ圧倒的に出現率が高い
(ある統計では10人に1人が生涯の内になる)こと
を考えれば、その普遍性が指摘されます。
(3)言い換えれば、うつには何らかの存在理由が
あるのではないか。ちなみにこの考え方は進化論
の適者生存の見方から捉えられます。実際、人間
の心の問題を進化論の立場から考える研究者は、
うつには人間の生存に役立つ面があると指摘して
います。詳しくは次回お話しします。