日中研究交流支援事業(令和7年度)
前立腺がんは一般的に進行が緩やかで、高齢男性では症状が現れないまま生涯を終えるケースも少なくない。しかし、急速に進行するがんもあり、慎重な判断が必要だ。
今回、80代男性の前立腺がん疑いについて、専門医にセカンドオピニオンを求めた。MRI報告書では前立腺がんが強く疑われ、周囲組織への進展も懸念される。PSA値も100ng/mLを超えており、進行がんの可能性がある。
専門医の見解では、MRI報告書だけでは確定判断できず、画像そのものや病理検査結果を確認し、転移の有無を評価することが重要という。
では、80代の患者に最適な治療は何か。
高齢であることを考慮すると、手術は慎重に判断し、放射線治療が有力な選択肢となる。陽子線や重粒子線治療は正常組織への影響を抑える特徴があるが、通常の高精度放射線治療も有効であり、必ずしも粒子線治療が優れているわけではない。また、病状によってはホルモン療法との併用や薬物療法が必要となる。
重要なのは、年齢や最新設備だけで治療を決めないことだ。
セカンドオピニオンを通じて、病期、体力、治療効果、生活の質を総合的に判断する。高齢者のがん治療では、延命だけでなく、本人が自分らしく穏やかに暮らせることも大切な目標である。


