大学病院での医療ICT活用を試みる
遠隔読影医が日々画像を確認していると、「一刻を争う所見」に遭遇することがある。先日21時39分も、まさにそうだった。◎◎総合病院の遠隔読影医K先生から、〇〇消化器病院の49歳男性の腹骨盤部単純CT(2026年1月30日)について緊急連絡が入った。所見は上腸間膜動脈解離、もしくは血栓症を強く疑うもので、腸管虚血へ進行する危険がある。至急造影CTによる精査が必要であり、主治医へ速やかに伝達すべき内容である――その判断は明確だった。
しかし、ここからが問題だった。サポーターとして病院へ電話連絡を入れ、「緊急症例がある」ことを念押ししながら2回連絡したものの、1回目(21時45分)は警備員対応となり話が通じず終了。2回目(22時15分)は当直看護師につないでいただけたが、院内に医師が不在で「明日連絡してほしい」との回答となってしまった。
緊急所見があっても、伝達経路が機能しなければ意味がない。遠隔医療の質は、画像やレポートの精度だけでなく、“緊急時の連絡体制”に支えられていることを改めて痛感した。



