誤診事例

嗣江建栄

嗣江建栄

テーマ:遠隔医療

 医療現場における誤診は、患者の生命や生活の質に重大な影響を及ぼす深刻な課題である。ある地方病院では、胸部CT画像に写る微小な陰影が見逃され、肺炎として治療が続けられた結果、実際には進行性の肺がんであったことが判明した事例がある。原因の一つは、読影医が限られた人数で多くの画像を短時間で確認せざるを得ない状況にあり、十分なダブルチェック体制が整っていなかった点にあった。また、専門領域外の症例に対する経験不足も、判断の遅れにつながったと考えられる。

このような誤診は、個々の医師の能力だけの問題ではなく、医療提供体制そのものの構造的課題である。特に地方や中小規模病院では、放射線科専門医の常駐が難しく、結果として一人の医師に過度な負担が集中しやすい。
 ViewSendが提供する遠隔画像診断支援サービスは、こうした課題に対する有効な解決策の一つである。画像診断支援拠点病院に属する複数の専門医による読影や迅速なセカンドオピニオンを可能にすることで、見落としや判断の偏りを防ぎ、誤診リスクを低減する。

 誤診を完全にゼロにすることは困難であるが、ICTを活用し医療者同士が知見を共有する体制を構築することで、その確率を限りなく低くすることは可能である。患者が安心して医療を受けられ、医療従事者も過度な責任や負担から解放される持続可能な医療体制の実現が、今まさに求められている。

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