遠隔画像診断とデータ活用
一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(ATS)の役員と約1時間Web面談の機会がありました。
ATSは、遠隔画像診断を「医療の質と持続可能性を両立させる社会インフラ」と位置づけ、地域医療の課題解決に向けた実装を重視しています。高齢化や医師偏在が進む中、CT・MRIといった高度画像を迅速かつ均質に読影できる体制は、救急対応や専門診療の質を左右します。遠隔画像診断は、専門医の知見を地域差なく届けることで、診断精度の標準化と診療スピードの向上を同時に実現します。
ATS役員は、単なる外注ではなく「病院間連携」による協働モデルを提唱しています。具体的には、一次読影と二次読影の役割分担、緊急時の即時対応、結果フィードバックを通じた院内教育までを一体で設計することが重要だと述べています。これにより、現場の負担軽減と若手医師の育成、さらには医療安全の強化が可能になります。
また、診療報酬や運用面にも目を向け、画像診断管理加算の適正算定や業務フローの可視化、読影品質の担保(ダブルチェック・専門分野別配置)を重視。ITセキュリティや個人情報保護への配慮を前提に、クラウド活用や標準規格の採用を進めることで、持続可能な運用を実現できるとしています。
遠隔画像診断は、人手不足を補う「代替」ではなく、医療の質を底上げする「拡張」です。ATSの考えは、地域完結型医療を支えながら、患者にとって最適な診断を最短で届ける仕組みづくりにあります。今後も遠隔画像診断は、地域医療連携の中核として、その重要性を増していくでしょう。



