令和7年度補正予算における医療DX関連

嗣江建栄

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テーマ:その他

令和7年度補正予算では、医療DXの全国的な推進を加速するため、大規模な財政措置が講じられている。中心となるのは、医療機関におけるデジタル基盤整備と、地域全体でのデータ共有を可能にする仕組みの強化である。まず、電子カルテ情報の標準化と「全国医療情報プラットフォーム」への接続支援が重点項目として位置づけられ、特に中小病院・診療所への導入を後押しするため、システム改修費・接続費用・運用支援等に対する補助が拡充されている。マイナ保険証の利用促進とオンライン資格確認の高度化も継続的に支援され、医療情報の正確性向上と事務負担軽減が期待される。

また、地域医療提供体制の強化に向け、救急医療・在宅医療・僻地医療でのICT活用が推進される。救急現場では、救急隊と医療機関のリアルタイム情報連携を高めるためのシステム導入が対象となり、患者受け入れ可否判断の迅速化が図られる。在宅医療分野では、患者モニタリングデバイスやクラウド型カルテ等を活用した診療効率化に対する補助が用意されている。さらに、読影専門医の不足が深刻な地域に対しては、遠隔画像診断やAI画像診断支援の導入に関する補助が強化され、医療の質の維持と業務負担の軽減を両立する取り組みが進められる。

加えて、医療機関のサイバーセキュリティ対策も重要な柱となっており、ゼロトラスト化に向けたネットワーク整備、EDR導入、バックアップ体制強化などに対し支援が拡大された。これにより、医療データの安全性を担保しつつDXを推進する環境が整備される。

これらの施策を通じ、令和7年度補正予算は「医療機関のデジタル化」だけでなく、「地域全体で医療情報を活用できる体制づくり」に重点を置き、日本の医療提供体制の質向上と効率化を包括的に進める内容となっている。

病院と連携する遠隔画像診断ネットワーク
https://www.viewsend-ict.co.jp/%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%BE%93%E4%BA%8B/

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