遠隔医療と患者サービス向上について

遠隔画像診断の利用は、医療機関の診断精度向上と患者サービスの質的向上に大きく寄与している。従来、専門医が常勤していない地域や夜間・休日などでは、画像診断結果の判定に時間を要することが多かった。遠隔画像診断を導入することで、撮影されたCTやMRI画像を専門の放射線科医が迅速に読影し、結果を電子的に返送することが可能となる。その結果、診断までの時間短縮、適切な治療方針の早期決定が実現し、救急医療やがん診療など時間が重要な領域で特に効果を発揮する。また、地域医療機関が大学病院や専門施設と連携することにより、患者は遠方へ移動することなく高度な専門診断を受けられる。医師にとっても診断精度の向上や業務負担の軽減が図られ、医療の質の平準化に貢献する。さらに、クラウド技術を活用した画像共有は、セカンドオピニオンや多職種カンファレンスにも活かされ、患者中心の包括的医療の推進につながる。