令和5年度補助事業報告書
オンライン電子処方とは、医師がオンライン診療などを通じて診察した患者に対し、電子的に処方箋を発行し、薬局がそれを受け取って調剤を行う仕組みである。従来の紙の処方箋に代わり、電子データとして安全に送信・管理されることで、利便性と医療の効率化が進む。患者は診療から薬の受け取りまでを非対面で完結でき、特に高齢者や遠隔地居住者、感染症流行時などに有効である。薬局側も処方情報の転記ミスが減り、薬歴管理の一元化が容易になる。システムは厚生労働省が推進する「電子処方箋管理サービス」を基盤とし、マイナンバーカードを活用して本人確認と処方情報の共有を行う。2023年以降、全国の医療機関・薬局で順次導入が進んでおり、医療DXの中核を担う取り組みとされる。一方で、医師・薬剤師のIT対応、セキュリティ確保、患者のデジタルリテラシーといった課題も残されている。



