遠隔画像診断管理加算制度の設計背景

嗣江建栄

嗣江建栄

テーマ:遠隔読影

遠隔画像診断管理加算制度は、医療資源の地域偏在を是正し、画像診断の質を全国的に均てん化することを目的に設計された制度である。日本ではCTやMRIなど高度医療機器の設置数が増加する一方で、放射線診断専門医の都市部集中が進み、地方や中小病院では適切な読影体制の確保が困難となっていた。この課題を踏まえ、厚生労働省は2008年度診療報酬改定において「画像診断管理加算」を創設し、画像診断の精度管理や読影体制整備を評価する仕組みを導入した。その後、ICT技術の進展により、専門医が遠隔地の画像を読影できる環境が整ったことから、2010年代に「遠隔画像診断管理加算」が追加され、遠隔地の医療機関が専門医の支援を受けながら質の高い画像診断を提供できるよう制度が拡充された。これにより、医師不足地域でも適切な診断と迅速な治療判断が可能となり、地域医療の質向上と効率的な医療提供体制の実現が図られている。

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