コロナウィルス状況
中国では、急速なデジタル化と医療格差の是正を目的として、遠隔医療(Telemedicine)が国家戦略として推進されている。特に広大な国土を持ち、都市部と農村部の医療資源に大きな偏りがある中国では、遠隔診療・遠隔画像診断・遠隔モニタリングなどが重要な役割を果たしている。政府は「インターネット+医療健康」政策を掲げ、主要都市の三甲病院(最高級病院)が地方病院をネットワークで支援する「医聯体」モデルを整備している。これにより、地方でも都市部の専門医による診断や治療方針の助言が受けられるようになった。さらに、アリババ・テンセント・百度など大手IT企業もクラウド基盤やAI診断技術を活用し、電子カルテの共有やオンライン診療アプリの提供を拡大している。一方で、医師資格の越境診療やデータプライバシー保護などの法制度整備は発展途上にある。今後は、AI画像解析・ビッグデータ分析を活用した精密医療や、5G通信を基盤としたリアルタイム診療の拡充が期待されている。



