遠隔医療・遠隔画像診断が急増

遠隔医療・遠隔画像診断は、医師の働き方改革や地域医療格差の是正を背景に急速に拡大している。特に放射線科医不足が深刻な地方病院では、専門医による読影支援を遠隔で受けられる体制が整備されつつあり、救急やがん診療の質向上に直結している。通信インフラの進歩とクラウド技術の普及により、高精細画像を安全かつ迅速に共有できるようになり、夜間や休日の緊急読影にも対応可能となった。また、AIによる画像解析支援の導入が進み、医師の負担軽減と診断精度の向上に寄与している。さらに、遠隔医療はオンライン診療や在宅医療とも結びつき、地域包括ケアの一環としての役割を担いつつある。一方で、患者情報保護や医療機関間の費用負担の調整、標準化の遅れといった課題も残されており、制度設計と運用面の整備が不可欠である。今後は、ICT基盤の強化とAI活用を組み合わせ、医療の質と効率を両立させる持続的な仕組みづくりが求められる。