医療データ利活用と製薬・研究連携
医療データの利活用と遠隔画像診断は、医療DX推進の中核をなす領域として注目を集めています。電子カルテやレセプト、健診結果など膨大なリアルワールドデータ(RWD)は、疾患予測モデルや創薬研究に活用されつつあり、製薬企業と医療機関のデータ連携も進展しています。これにより個別化医療や臨床研究の迅速化が期待される一方、個人情報保護や匿名加工情報の適切な運用が不可欠です。並行して、専門医不足が課題となる放射線診断分野では、遠隔画像診断が地域連携の有効な手段となっています。大学病院や中核病院が遠隔で読影を担うことで、地方病院や夜間・休日の診療を支援でき、医師の働き方改革にも寄与します。さらにAIによる病変検出支援が加わることで、診断精度向上と読影効率化の両立が可能となりつつあります。医療データ利活用と遠隔画像診断は、患者サービスの向上と医療資源の最適配置を同時に実現する基盤技術として、今後ますます重要性を増していくでしょう。



