日本と海外諸国の個人情報保護法について

嗣江建栄

嗣江建栄

テーマ:遠隔医療

日本と海外諸国の個人情報保護法には共通点と相違点がみられます。共通点としては、いずれも個人のプライバシーを守ることを目的に、事業者に対し取得目的の明示、本人同意の取得、安全管理措置、第三者提供の制限といった義務を定めている点です。また、個人情報の越境移転について一定の規制を設けている点も共通しています。

一方で相違点は大きく、日本の「個人情報保護法」は比較的柔軟で、本人同意を基本としつつ事業者の自主的対応を尊重し、違反時も行政指導や勧告中心で罰則は限定的です。これに対し、EUのGDPRは厳格で、合法的な処理根拠を限定し、データ主体の権利(削除権やデータポータビリティ権)を強力に保障しています。違反時には巨額の制裁金が科される可能性があります。米国は包括法を持たず、州法(例:カリフォルニア州CCPA)や業種別規制が中心で、市場競争や消費者訴訟を通じて事業者行動を規律する点が特徴です。中国のPIPLは国家主導で管理を強め、越境移転規制やデータローカライゼーション義務など安全保障の色彩が濃厚です。

総じて、日本は「自主規制・調和型」、EUは「権利保護・厳格型」、米国は「市場・分散型」、中国は「国家統制型」と整理できます。

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