遠隔で画像や個人情報を取り扱う際の注意点

遠隔画像診断管理加算は、医療機関がCTやMRIなどの画像を放射線診断専門医に委託して読影し、その結果を活用することで診療の質を高めた場合に算定できる診療報酬です。特に専門医が画像を適切に評価し、診療録に所見を記載する体制が確保されていることが要件となり、専門的知見の活用と地域医療格差の是正に資する仕組みです。一方、遠隔で画像や個人情報を取り扱う際には、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」や個人情報保護法を遵守することが不可欠です。患者氏名や生年月日などの識別情報を含む画像データは匿名化・暗号化を行い、安全な通信経路で送受信することが求められます。また、利用目的を明示し、必要最小限の範囲で取り扱うとともに、委託契約においても守秘義務やアクセス管理体制を明文化することが重要です。これにより、診療の質を高めつつ、患者の権利とプライバシーを確実に保護できます。