遠隔画像診断と紹介状について
脳神経外科医にとって遠隔画像診断は、診断精度と業務効率を高める有力な手段です。まず、地方や小規模病院ではCT・MRI等の検査は行えても、専門医による迅速な読影が難しい場合があります。遠隔画像診断を活用すれば、検査画像を即時に専門医へ送信し、急性期脳梗塞やくも膜下出血など時間依存性の高い疾患の診断を迅速化できます。また、術前計画や手術適応判断にも有用で、過去画像や他院データとの比較も容易です。さらに、常勤医不在時の夜間・休日読影や、症例検討会・カンファレンスでの共有にも利用でき、教育・研修の場としても効果的です。院内読影と遠隔読影を組み合わせれば、負担軽減と診療の質向上が両立します。脳神経外科領域では特に、発症から治療までの時間短縮が予後を左右するため、遠隔画像診断は地域医療ネットワーク構築の要として活用可能です。



