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遠隔画像診断における依頼側と診断側コミュニケーション例

嗣江建栄

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テーマ:遠隔医療

Q) 依頼施設からの質問:
放射線科の医師である読影医の方に可能であれば、聞いていただきたい事項になります。
現在当院では前院長の方針を踏襲して、基本的には急を要する状態でなければ、頭部MRI検査と頭部MRA検査を分けて行っておりました。
ただ分けて行っていることを十分患者様に周知出来ていない現状があります。
また分けて行う理由も時間がかかるというのが一番かと思いますが、分けて行うことで検査数を確保するという理由もあったかと思います。
なので今後はMRI/MRAをまとめて行っていこうと考えておりますが、他院の実施状況を見てみると、スクリーニングにはMRI検査ではT2のみで十分だとかそういった記述もあり、放射線科の医師にご意見を伺いたいと思い、ご連絡させていただきました。
主に以下のケースで撮影することが多いのですが、
①無症状の方に対するスクリーニング目的
②めまいや頭痛などの症状がある方に対する精査目的
③脳梗塞や脳出血の既往がある方に対するフォロー目的
④認知症の方に対するスクリーニング目的
それぞれ最低限の撮影プロトコールとしては、どういったものがお勧め出来るのか、伺いたいと思い、今回ご連絡させていただきました。
ちなみに当院ではMRI検査は1断面につき、4-5分、MRA検査は15分ほど時間がかかります。出来ればいずれにしても20-30分以内にはおさまるプロトコールが望ましいと考えております。なので、MRA+2断面前後であれば、大変ありがたく思います。
もちろんスクリーニングで何か異常があった場合は、日を改めて撮影することは可能と考えております。

A)読影医からの返答:
お問い合わせの件について回答させていただきます。
通常であれば頭部MRI と頭部MRAは同時撮影で行なっています。
やはりMRAがあるとないでは頭部の検査から得られる情報量が異なり、頭部非造影MRIのスクリーニング検査枠は20分間であることが多いです。この中に患者さんの入れ替えや受信コイルの設定、撮影時の位置決めも含まれますので、正味の撮影時間としては15分が限度です。
MRI, MRAを同時に撮影するためにはT1WI, T2WI が2分ずつ、FLAIR 3分、拡散強調画像 1分、頭部MRA 4分 で合計12分、必要に応じて冠状断や矢状断面を追加して14分 が想定されます。施設によっては1回の撮影で多数のコントラストが得られるsynthetic MRIが6分+MRA4分で10分とする場合もあります。
お伺いした撮影時間(頭部MRIが1シークエンス4-5分、頭部MRA15分)ですと、20分枠でMRIとMRAの同時検査は難しいと思います。また、T1を省略する場合もありますが、脳血管障害ではT1でないと得られない情報もあります。また、T2*も必要と思います。一方、T2WIはFLAIRとT2*WIが両方あれば、flow void 以外は相当する情報がだいたい得られると考えられます。
その中で他施設と同様に1回の検査でスクリーニングが終わるようにするなら、1枠30分、撮影時間は25分として無症状スクリーニング 
MRAあり: Ax FLAIR, AxT2*, MRA 25分
MRAなし: Ax FLAIR, AxT2*, AxT2 15分
めまい、難聴 AxT2(内耳道), CorT2, AxDWI 15分
頭痛 AxT2*, AxFLAIR, AxDWI, MRA 30分
脳血管障害フォロー AxT2*, AxT1, AxDWI, MRA 30分
認知症スクリーニング CorT2, SagT1, AxFLAIR, AxT2* 20分
が案として考えられますが、如何でしょうか。
__病院 放射線科

(例です)

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嗣江建栄(システム開発)

ViewSend ICT株式会社

米国発祥のシステムを国立がん研究センターとの共同開発により独自の遠隔医療支援システムとして製品化。

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