【リアル店舗で成功する】実演型食物販の出店:点心の場合2
餃包拉麺
前回、本格手作り蒸餃子と豚饅頭の専門店の成功事例をお話ししましたが、
実はその前年にロケーション的に厳しい場所で成功した事例があったのです。
それは1日の乗降客が13,000人程度の埼玉県のローカルな駅で
高架下が駅ビル形式の商業施設になってました。
わずか8店舗ほどの小さな施設の中で空き区画があり、
ほぼ1年程度借り手がないという状況でした。
駅の周辺は住宅地でこれといった施設や商店街もない非常にローカルな立地でした。
ここに出店することになったのですが、
対象物件はカレーショップの跡でしたのでテイクアウトショップにするには少し広すぎます。
そこで今回は既存の施設を生かしてラーメンショップとして出店することにしました。
ただ、普通のラーメン店ではなかなか厳しい場所です。
点心を目玉商品に
店舗は高架下の通路に面してましたので
通路に面した場所にテイクアウトコーナーを広く取り、ラーメン店としては勝算がなかったので
餃子のテイクアウトに重点を置きました。
立地が悪い時の出店の工夫
以前のテナントが撤退して1年以上空いている厳しい場所でしたので次のような戦略を練りました。
①飲食店の前テナントの内装を生かす。
⇒設備投資などを押さえた。
②店舗の角区画に餃子のテイクアウトコーナーを作った。
⇒1番強い商品を前面に出す。
③ラーメンは自家製麺を使い、スープは味噌、豚骨、醬油の3種類で既成のスープを使用。
⇒低価格のラーメンを実現し、スープ作りの手間を省いた。
④飲食部門はセットメニューで低価格のラーメンでも客単価を確保。
⇒日本人は自分でメニューを組み合わせて考えるのが苦手なので選択しやすいセットメニューにした。
⑤点心を前面にしたショップにして手作り場面を通路から見えるようにした。
⇒こちらはテイクアウトショップの成功ノウハウを生かしました。
結果としては狙い通りで
撤退したカレーショップの月商が100万円~200万円の間だったそうですが、
餃包拉麺は人の少ないローカル立地で月商500万円で
餃子のテイクアウトが売上の50%で飲食部門の弱点を補いました。
ラーメンショップ単独だと250万円行くかどうかという状況でした。
昼間はバリュー価格のラーメンと点心のセットで
周辺住民やお勤めの方におなかを満たしてもらい、
夕方はスーパーでの買物の主婦層がおかずの1品として点心を買っていただき、
夜は帰宅途中のサラリーマンがビール片手に
餃子のテイクアウトをしてくれる光景を多く見ました。
点心も拉麺も低価格ですたので下校途中の中高生にも利用してもらいました。
お店を使い慣れた人は立ち食いソバ代わりに低価格のラーメンを食べている方も多く、
回転も良かったです。
当時はこのようなメニューでした。
この点心のビジネスは点心を軸とした多彩なビジネスができることで非常に可能性を感じました。
この餃包拉麺は同時進行で、この店舗以外に郊外の商業施設の食料品売場の一角と
東京23区の人口密度の高い駅の高架下にもそれぞれ実験店として出店しました。
当時は中華料理店と日本のラーメン店との中間に位置する
独特のジャンルを確立していたと思います。
現場で作るリアル店舗は強い!
全ては商売をする上で一番重要な店舗立地が不利な場所へ出店することから始まってましたので
その不利な条件を克服するために様々なプランが出てきました。
立地が不利でも工夫すれば飲食店や実演販売型の食物販店は
ECショップが盛んな現在でもリアル店舗として結果を出せるのです。
あなたのアイデア一つでビッグチャンスがつかめます。
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