リスキリングの落とし穴とあるべき姿

柴原健次

柴原健次

テーマ:思考改革プロデュース

リスキリングのワナ

時代の流行り言葉というのがありますが、リスキリングも最近のキーワードとして、あちこちで取り上げられていますね。

経済産業省や厚生労働省を中心に国をあげて時の首相までもが言及していますから、無視していられない状況になっているとも言えますね。

ただ、これまでも何度かお伝えしてきましたが、そもそもが経済産業省と厚生労働省は立場が違うので、目的も目指す方向も極端にいえば正反対とも言えます。しかし、国や関連機関や大学教授などがリスキリングに言及するとき、それらをひとくくりにして話すので、それにつられてマスコミも同様の報道をしています。

これらについては別途どこかでお伝えしたいと思いますが、どの人にも重要なことは、企業が取り組むリスキリングと個人が取り組むリスキリングは、何もかもが違うということです。
まず自分はどちらのことを検討しているのかを明確にした上で、それに特化して情報収集をしないと、大きく間違えた方向へ進んでしまいます。

講演やセミナー、ホームページや書籍など、さまざまな情報が得られますが、しっかりしたものから、薄っぺたかったり好き勝手なものまで有象無象さまざまです。

できるだけ信頼のある内容を求めますが、国から出ているものや大学教授発信のものについて、確かに信頼はあるかとは思いますが、自分にあっているか自社にあっているかという点では、よほどの大企業でないとそのまま実践にうつしても意味はなく、そもそもが実践に移せないでしょう。

リスキリングの失敗

中途半端にリスクリングに取り組んでも意味がないどころか、逆効果になることもありえます。

たとえば多くの皆さんの記憶にあるのではという一つが、20~30年前に流行った海外MBA取得です。会社を成長させるために、有能な社員を米国に留学させMBAを取得して帰国する。さぁ自社で発揮してもらおうと思ったら退職してしまった。数多く聞きました。

友人にもいましたが、その人が悪いわけではありません。要は社内で学んだことを発揮できる環境が整っていなかったということが大きな要因です。環境が整っていないから、学んでこさせたと会社は言うのですが、何か改革をしようと企画しても、前例がないとか費用がかけられないとか、それで必ずうまくいくのかとか、検討だけでも時間がかかり、結局提案はボツになったり。向こうで一緒にイキイキと学んだ人たちとはカルチャーが違うことを強く感じることになって、そりゃ辞めたくはなるよねという感じです。

これらは、当時はリスクリングとは言っていませんでしたが、今でいうリスキリングですよね。

あるべきリスキリングの取り組み

では、リスキリングにはどのように取り組めばよいのか?

企業のリスキリングについては、その目的と向かう方向が定まっていて、全社をあげてそっちの方へ向かうという体制が必要です。そのためには、まず経営者の思考転換が必要なのです。

企業がまず最初に取り組むべきことは、経営者の思考転換/マインドシフト。それこそが今必要とされるリスキリングです。

一方、個人のリスキリングについては、これは今に始まったわけではなく、生涯同じ会社にいることが普通ではなくなった時代から、ずっと続いていることです。
AI時代に奪われる仕事などと煽られたりしていますが、いずれにしても、これまでの成功法則が成り立たない時代になりました。自分個人においても、これまでうまくいっていたことがこれからもうまくいくとは限らない時代です。
そんな中、何をすればよいか?
やはり個人も思考転換、思考改革が必要です。これはなかなか簡単なものではなく、時間がかかることではありますが、必ずできます。取り組み方次第です。

思考は、育った環境に強く依存しています。その環境にいる限り、変わったと思ってもすぐに戻ってしまうのが一般的です。脳がそういう仕組みだからです。パワーをかけて変えようとすることと、日常的に無意識の場面での変革を組み合わせることで可能となります。脳科学や動物生理学をうまく活用したトレーニングで、気づいたら変わっていたという感覚がもてればもとに戻ることはありません。

これらの目的を明確にもった思考改革/マインドシフトに取り組みことは、個人も企業も必要な時代になりました。


リスキリング

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Mybestpro Members

柴原健次
専門家

柴原健次(クリエイティブプロデューサー)

合同会社ヘルシーブレイン

経営者から個人まで「思い通りに自分らしく社会に貢献する」ことを目指し、脳科学、心理学、量子力学、AIを活用して、心豊かな日々へのマインドチェンジ(思考転換、思考習慣改革)をサポートしています。

柴原健次プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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