キャリアコンサルタントの誤解と期待 ~時代が求める新しい活躍の世界、ワークライフキャリアメンターへ~

柴原健次

柴原健次

テーマ:起業家プロデュース

キャリアコンサルタントのイマイチな現状

キャリアコンサルティングは、人のキャリアや人生のサポートができ、喜ばれ感謝される、とてもやりがいも意義もあるお仕事です。これから必要となる職種として、国は、キャリアコンサルタントを国家資格化したり、10万人計画など、本格的に力を入れています。

ところが、あまりうまくいっているようには見えないのが残念なところです。
実際、たとえば「キャリアコンサルタント メリット」で検索してみると、デメリットの方がたくさんでてきます。

資格取得を支援している企業のサイトでも、素晴らしい資格であることとともに、収入は芳しくないとか、求人が少ないことが書かれていたりします。
個人のサイトなどいわゆる口コミ系ページでは、一般的には偏った意見もあり、そのまま鵜呑みにしない方が良い場合もありますが、実際、資格を取得したあとの状況が書かれているサイトはリアリティがあります。

ちゃんとした資料として、労働政策研究・研修機構さんが「キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」と題した労働政策研究報告書を公開されています。220ページ+資料の大作です。
2018年に作成されたものですが、キャリアコンサルタントの現状が見え、概ね他のサイトに書かれていることと合致しています。回答率は20%ほどで、回答をする人の傾向偏重もあるかとは思いますが、でも3,000を超える回答の集計なので、統計的には傾向が読めると思います。ご興味ある方は検索してご覧になってみてください。

それらによると、キャリアコンサルタントとしての年収・収入の問題、それに対して資格取得にかかる費用が高額である問題、そしてキャリアコンサルタントとしての求人の問題があるようです。
そしてそれらに対して、キャリアコンサルタントの認知度向上が要望されています。

キャリアコンサルタントって何?

確かに、キャリアコンサルタントって何? 何をしてくれる人? 資格のありなしで何が違うの? といったことに、資格取得者や目指す人以外の一般の人が正確に答えられるかどうかというとかなり疑問です。

実は、キャリアコンサルタント資格取得を目指している人ですら、意外と誤解していることがあります。資格取得を考えている人からのご相談を受けることがありますが、本質的なところについて誤解している方が実は大半です。
それらは、今キャリアコンサルタントが抱えている問題と根幹の要因は同じように思えます。

それは何かというと、まさに「キャリアコンサルタントって何?」ということです。そもそもキャリアって何? そしてキャリアコンサルティングって何?というのも合わせてです。

日本語としての意味は誰でもイメージがつかめると思います。ただ、人によってそれらが違うということが問題です。キャリアコンサルタントを管轄している厚生労働省の定義は、一般的な人がイメージするものとは違っていて、私の体感では、厚生労働省の方が特殊な感じがしています。

その厚生労働省の定義はどうかというと、
『「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。』とWebサイトに書いてあります。

では、「キャリアコンサルティング」とは?というと、
『「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。』とあります。

さらっと読むともっともらしいですが、重要なポイントがあります。「労働者の」という点です。

Webサイトや資料を見ると、キャリアは企業内にフォーカスしていて、キャリアコンサルティングは、いかに従業員を活かしたり自社に留めるか、という視点で書かれています。個人のキャリアというより、経営者のための労働者対策というイメージが強いです。

起業や生涯の仕事はもちろん転職すらも否定側のイメージがあります。実際「キャリアコンサルティングの効果」として「社員の定着促進」が挙げられています。
国は人材の流動化の推進も掲げていますが、それは文部科学省や総務省、経済産業省などの施策で、真っ向から異なる方向です。

これらについて、良い悪いを言いたいのではありません。実際、企業にとっては、優秀な社員の確保と定着は重要な課題です。それらを支援しているのが厚生労働省の施策ということです。

重要なポイントは、キャリアコンサルタント制度が厚生労働省系の施策であるということです。

先述の報告書によると、キャリアコンサルタントとして起業したり、リタイア後の仕事として考えて資格取得された方々も少なからずおられるようですが、それらは国の施策とは方向が違っていそうです。
実際、キャリアコンサルタントとして活躍している人は企業内が多く、しかも他の業務と兼業をされていて、キャリアコンサルティングを専業で行っている人は非正規社員が多く、収入も低めのようです。
キャリアコンサルタントとしての年収は200~400万円がボリュームゾーンで、それより高めの人は、企業所属で、専属でなく不定期に活動している傾向があるようです。そして、キャリアコンサルタントとしての求人はとても少ないというのが現状のようです。

キャリアではなくワークライフキャリア

働き方改革時代、そして人生100年時代、兼業・副業も推進され、人材の流動化や起業も促進され、生涯現役とかも言われている現在、キャリアというと、それらも含めた視野であるべきと考えています。

そこで、私どもでは、そちらのキャリアことを「ワークライフキャリア(WoLica)」と呼んでいて、それらの各種支援を始めて9年になります。

欧米では、個人は企業を転々としてスキルを磨き、自分のキャリアを積んで独立するという人が多数いて、終身雇用なんて考えていないことは有名です。日本では、必ずしも欧米型になるのが良いとは思いませんが、それらの仕組みは参考になります。

ワークライフキャリアサポートは、欧米のスタイルを参考にしながら、日本ならではの「企業と個人の共栄」を目指しています。
経営者も個人です。自社の社員やその家族のことを考えるとともに、自分自身の生涯のワークライフキャリアもしっかりデザインすることが、皆の心豊かな人生につながると考えています。
起業すれば自分も経営者となり、企業の立場にもなります。

誰もが経験したことのない新しい時代が始まっています。これまでの経験則や成功法則が必ずしも成り立たない時代です。こんなときこそ、孤立しないことが大事となります。
そこで、起業家や経営者にしっかり寄り添うワークライフメンターのサービスをご提供しています。

ここのところ、そのワークライフメンターや起業家メンターができる人を増やしたいと考え始めました。どのような人が適任かと考えていましたが、冒頭にも書きました「人のキャリアや人生のサポートができ、喜ばれ感謝される、とてもやりがいも意義もあるお仕事」をされているキャリアコンサルタントやそれを目指したいと考えている人こそが、ど真ん中ではないかと考えています。それらの志や夢を持ちながら、企業内のキャリアに限定して、しかも待遇もよくなく思うように仕事ができないようでは何かもったいなさも感じます。必要としている人がいるのにです。

未経験の枠から脱出

ただ、「コンサルティングは経験がすべて」とも言われ、特に人に対するコンサルティングは、自分の経験を超えることはできない、というのが定説です。自分が経験したことこそ説得力のあるアドバイスができます。もちろん学んでことでもアドバイスはできますが、クライアント側から見たときに、相談相手に経験のない人を選ぶかという問題になります。
私も昔、外資系に転職したいと希望を言ったら、外資系に行かない方がよい理由を延々と話された転職コンサルタントがいました。外資系で働いたことにない人でした。
派遣社員でしか働いたことのない人が、有名企業へ正社員で就職するためのセミナーやコンサルをやっているが人が来ないと嘆いていました。
年収300万円を超えたことがない人に、起業して1000万円稼ぐための相談はしないでしょう。

キャリアコンサルタントも、いろんな相談をうけて経験を積むべしと言われていますが、おいおいという感じです。そのプロセスの中で、自分の人生をかけて相談した人はたまったものではありません。キャリアコンサルティングは、人生のサポートができますが、人生を左右してしまい、とんでもない人生にしてしまうこともある仕事です。それだけの本気と覚悟が必要です。

でも、誰でもどんな仕事でも、未経験や初心者の時代があります。でも未経験ではできない仕事というジレンマがあります。「一見さんお断り」のお店と同じです。

一見さんお断りのお店にどうすれば入れるのか?
一つは、お店に入れる人に紹介してもらうことですね。

手術をしてもらうのに、自分は手術したことないという医師をわざわざ選ぶことはないでしょう。でも、医師も未経験・初心者の時代が必ずあります。どうしているのか?
インターン制度があります。ベテラン医師の見習いや助手として少しずつスキルを身につけていきます。電車の運転士も同じです。人の命を預かる仕事は、しっかりした仕組みがあります。

コンサルティングは、命までは預からないかも知れませんが、でもそれに近いことや少なくとも人生に大きく影響します。でも、未経験脱出の仕組みは確立していません。キャリアのコンサルティングも、実際は資格がなくてもできますし、国家資格を取得していたとしても、十分なインターン時代を経ているわけではありません。これらが、キャリアコンサルタントにお金を払ってまでサポートしてもらおうとは思わない要因の一つになっているようにも思えます。

起業家メンターになる

起業するには、さまざまな知識が必要です。ただ、それらの情報は、今は比較的簡単に入手できます。でも起業してもうまくいかない人が多くいます。なぜでしょうか?

それはズバリ! マインドの問題です。
ほぼすべての人に思考の枠があって、その枠の中で考えている以上、枠の外側の問題に対して答えが見いだせないのです。これは、会社員でずっと従業員側であった人は、ほぼ100%おちいる点です。会社員としての実績があればあるほど、おちいる傾向にあります。過信というやつです。

起業で成功するには、経営者思考が必要です。この思考転換がとても重要な根幹になります。
そのほかにも、パーパス思考、VR思考など新しい思考方法を身につけることで、成功への道が拡がっていきます。

ワークライフキャリアサポートをするには、やはりできるだけ幅広い経験がある方がよいです。
起業の検討を含めたキャリアコンサルティングは、やはり起業の経験、経営者の経験がないと難しいでしょう。
起業したい人に対するワークライフメンター/起業家メンターになるためには、起業家メンターについて知る必要があり、思考転換のアドバイスもできなければなりません。

これらはとても高いハードルのように思えるかも知れませんが、何人もの人がクリアしています。どのようにクリアしたかと言いますと「そのまま自分が経験する」ということです。

起業家メンターとして起業する。起業家メンターについてもらって起業する。
起業家メンターになってからも、自分もメンターズメンターについてもらう。
思考転換を学んで身につける。その身につけ方をサポートする。
身をもって体験したことをそのまま活かす。これが伝承の基本です。そしてそれは拡大していくことのできる伝承です。

人のワークライフキャリアを、ワークライフメンターとしてサポートするために、まずはワークライフメンターにサポートしてもらって自分のワークライフキャリアをデザインする。
そして起業をする人をサポートする仕事で起業する。
ワークライフメンターは、経営者や起業家などさまざまな人に必要とされますが、まずは起業家メンターから。

これらの仕組みがスタートします。

制度開始前モニタープログラム

サポート内容やコンテンツはすでに10年近くの実績がありますが、しっかりとした制度設計をしているところで、来春開始を予定しています。働き方改革支援コンソーシアムではワークライフメンターの協会設立を準備中です。

ただ、よりしっかりと現実的な内容や制度とするために、パイロットプログラムをスタートします。しっかり制度ができあがってから乗っかりたい人は少々お待ちください。そうではなく、最初から一緒に作っていける喜びを感じたいと思われる方は、ぜひ今からご参加いただき、ご協力いただければと思います。

このページをご覧いただき、最後までお読みいただきました皆様、まずはご縁に感謝いたします。このご縁が、より多くの人の心豊かなワークライフにつながっていくようであればとても嬉しく思います。

パイロットモニタープログラムは、講座とメンターコンサルティングサポートがあります。
講座受講については、対象など特に制限はありません。
メンターコンサルティングサポートについては、36~48才、半年前後に起業を想定している人か、すでに起業している人が対象です。人数限定です。詳しくはお問い合わせください。
詳細内容やモニターメンバー特典などについては、こちらのサイトもご参照されてください。

シンプルページ: 起業家メンター育成プログラムhttps://wolica-labo.com/kigyomentor/
詳細ページ: 起業家メンター育成プログラムhttps://wolica-labo.com/mentorproduce/

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柴原健次
専門家

柴原健次(クリエイティブプロデューサー)

合同会社ヘルシーブレイン

経営者から個人まで「思い通りに自分らしく社会に貢献する」ことを目指し、脳科学、心理学、量子力学、AIを駆使して、これまでの考えが通用しない新しい時代の課題への対応を、しっかり寄り添いサポートしています

柴原健次プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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