対象別「パーパス」の取り入れ方

柴原健次

柴原健次

テーマ:パーパス・コア

「Purpose(パーパス)」こそが、これからの時代のキーワードだと言われることもありますが、まさにそのとおりだと思います。

「Purpose(パーパス)」は、そもそもの「目的」であり、自分あるいは自社は何のために存在しているのかという存在意義から見直してみよう、ということは、先が見えにくくこれまでの常識が成り立たなさそうな新しい時代に向け、とても大事なことだと思います。

そこで、まず定義を理解し、事例を調べて、自分も見よう見まねで取り組んでみる、という流れは王道のように思います。ですが、なぜ「Purpose(パーパス)」の概念を取り入れようとするのかという、その目的が明確でないと、あらぬ方向へ向かってしまうことになり、成果につながらないまま時間だけを使ってしまうことになりかねません。
新しい概念を取り入れるのは、いつもそのような危険がつきまといます。それを知っている人は、とりあえず様子見をしたり、事例が出そろってから取り組もうとすることも多いかと思います。

しかし、「Purpose(パーパス)」に関しては、そもそも自分の中にあるもの(あったはずのもの)なので、目的をはずさず、それへのアプローチ方法を間違わなければ、必ず成果につながります。成果につながらないとしたら、それはそもそも受け入れられない「Purpose(パーパス)」だったということなのです。

自分のコアなる「Purpose(パーパス)」に立ち戻り、それにもとづいてさまざまな選択や判断をするために、という目的(パーパス)を基盤において、そして事例に惑わされず、自分のコアからの声に耳を傾け、取り組んでいく、というのが「Purpose(パーパス)」概念の取り入れ方のツボです。

対象によるアプローチの違い

それへのアプローチは、対象によって大きく違うのかなと感じています。

まず、大企業と中堅・中小企業、個人企業など、企業規模で変わってきます。ということは、企業規模が違う事例を知っても参考にならないということでもあります。

そして、「Purpose(パーパス)」について、欧米からの情報が多くありますが、まさにグローバルに展開していたり、これから進出していこうとしている企業は、それらの情報をしっかりウォッチし勉強することが好ましいと思います。

しかし、そうでない場合は、こちらもやはり、そのような情報はマネしない方がよい、どころかマネしてはいけないくらいに考えた方がよいでしょう。それらをヒントに日本の状況にあわせてローカライズするなら良いかも知れませんが、根本的なカルチャーが異なる部分もあるので、欧米の事例情報は眼中なしでよいと思います。これは、複数の外資系企業でそのまさにカルチャーに触れて学んだことです。

次に、中堅・中小企業が、新規事業を立ち上げたり、これまでに対して大きく改革しようとしている場合、さらに大企業でもベンチャー企業や小さな企業とコラボして新規事業や新規企業の立ち上げをしようとする場合も、「Purpose(パーパス)」の概念導入に関しては、まだ模範とする事例がないと考えた方がよいでしょう。

よく大企業病などと言われますが、そこから脱出するには、まさにこの「Purpose(パーパス)」の概念が役立ちます。大企業は大企業でいいところがヤマほどあります。それを活かしてこそ大企業です。これも大企業と中小企業、ベンチャー企業のすべてを経験して知り得たことですが、その大企業でも昨今、中小企業やベンチャー企業の知恵やマインドに学ぼうとする動きもあります。それは間違いなく一つの成功への方法でしょう。そしてそのためには中小企業の「Purpose(パーパス)」に学ぶことが求められています。

逆に、中小企業が大企業の事例をマネすることは、自ら大企業病を発症するよう誘導しているみたいなものになってしまいます。中小企業のプライドといいますか、自負が自社の「Purpose(パーパス)」とつながっているはずなので、外に情報を求めるよりは、自分に問うということで、コアがより固まっていきます。

ベンチャー企業も同様です。そもそも、誰に何を提供したかったのか、誰をどのようにしたいと思って起業したのか、それこそが「Purpose(パーパス)」です。これから起業しようとする人も同様です。

他にもさまざまな視点での分類がありますが、とりあえずは、大企業の特性を遺憾なく活用して邁進していく企業や、企業の規模の関係なくグローバルに展開している企業、これから展開していきたい企業、さらに、ここまでに書きませんでしたが、顧客のニーズに応えることを軸としたいわゆるマーケットインを重視する企業の皆さんは、これからもたくさん出てくるさまざまな情報をウォッチし、学ばれるのがよいと思います。

それら以外の皆さんは、外の情報に惑わされず、自分の中にあるものと向き合うということに注力しましょう。とはいえ、なかなか自分だけではできないことでもありますので、それらに取り組む同じ思いの皆さんと一緒に取り組んでいくことが得策だと思います。そんな考えと思いで、アカデミックコミュニティの開設をしました。8月8日にプレオープンしました。ぜひご興味いただきました皆様のご参画をお待ちしております。いまご登録(無料)を開始しております。

パーパス・コア アカデミックコミュニティサイト
“Purpose core PATIO“
https://purpose-core.work/

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柴原健次
専門家

柴原健次(クリエイティブプロデューサー)

合同会社ヘルシーブレイン

経営者から個人まで「思い通りに自分らしく社会に貢献する」ことを目指し、脳科学、心理学、量子力学、AIを駆使して、これまでの考えが通用しない新しい時代の課題への対応を、しっかり寄り添いサポートしています

柴原健次プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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