人類が求め続ける不老不死 永遠の概念の根拠とは
鹿児島へ行ってきました。明治日本産業革命の先駆け、尚古集成館と島津家別邸仙巌園は世界遺産に認められ維新150周年の来年の大河ドラマも決定、地元は盛り上がっています。維新ふるさと館では展示のほか、「維新への道」「薩摩スチューデント、西へ」も音や光で多彩に上映、西郷さんらがロボットで登場するのも必見です。バス観光用のコースや市電、一日乗車券などで、他にも多くの名所史跡をマイペースで巡ることができ、食べ物がおいしく、みな親切で温かいというリピーター達や、移住者もいるほどです。
鎖国日本に開国と通商を迫られる中、アヘン戦争などの内情に通じていた島津斉彬は植民地化を懸念、ジョン万次郎を保護して情報を得ていました。生麦事件をきっかけに薩英戦争が起こり熾烈な砲撃戦になりますが、(母が聞いた話では荒波で苦戦していたイギリス艦隊の煙突にたまたま大砲の弾が入ったとか)互いに健闘を称え合い親しくなります。圧倒的武力の差を思い知らされ教育が大切と、鎖国の中死罪も恐れず断髪、命とされた刀も預け莫大な費用もいとわない藩命で薩摩スチューデント17名を送り込み、意欲的で熱心で、難しい学問にもひるまないとイギリスの教授陣を驚かせ、実際短期間で英語や高度な学問や技術を修得、高い志をもって帰国し、近代化事業に大いに貢献したことは知られています。
初めてキリスト教が伝来した時に島津貴久が布教を認めた背景か、西郷隆盛の座右の銘「敬天愛人」は、天命を自覚するならば、天が我々を平等に愛してくれるように、自らも他の人に対して慈愛をもって接することが大切という意味で、もととなるイエス・キリストの教えが聖書に書かれています。
『 あなたは,心をこめ,魂をこめ,思いをこめて神を愛さねばならない』。 これが最大で第一のおきてです。第二もそれと同様であって,こうです。『あなたは隣人を自分自身のように愛さねばならない 』
ーマタイによる福音書 2:37~39ー
敵を含む多くの人々から愛され尊敬され慕われたのもイエスに倣う慈愛の精神だったのかもしれません。
島津家別邸 御殿茶室にて
磯御殿の島津斉彬直筆の掛け軸には「思無邪」。思いよこしま無し、との座右の銘が書かれていました。
『 体のともしびは目です。それで,もし目が純一であれば,あなたの体全体は明るいでしょう。 しかし,目がよこしまであれば,あなたの体全体は暗いでしょう。あなたのうちにある光が実際のところ闇であれば,その闇はどんなにかひどいことでしょう 』 ーマタイによる福音書 6:22.23ー
多くの使節団も異国文化を学んで啓発を受け、大久保利通は「為政清明」政 (まつりごと) を行うには、心も態度も清く明るくなければならないと信条を語り、幼馴染みを敵に回しても近代日本をつくる高い志はぶれませんでした。残念なことに明治維新では多くの犠牲者を伴い日本はひとつになりましたが、今度は血を流したり攻撃するために画策したり共謀する必要もなく、邪悪な勢力や人々や自分の弱さに対して、武器をもたない平和的戦いで、善をもって悪を征服することで世界がひとつになればいいなと思っています。
みなさまが、時代を耐え抜いてきたよい座右の銘を見いだして心を清め、さらに志を強められますように。
↑日本で最初の銀板写真機前で、動けない様子を再現