多発性硬化症の中国伝統医学による治療法

岡部哲郎

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最近、重症の多発性硬化症の方の治療を行った。 両下肢麻痺、膀胱直腸障害を伴っていた。 失禁、排便が自力でできないので大変であった。 多発性硬化症は脳、脊髄、視神経などの脱髄による病気で再発を繰り返しつつ悪化してゆく。 原因として免疫異常が考えられており、ステロイドホルモンによる治療が行われる。 この方もステロイドホルモン大量投与により病状は落ち着いたが、下肢麻痺と膀胱直腸障害は治らない。 伝統医学の生薬を25種類組み合わせた煎じ薬を服用したところ、排便は自力でできるようになった。また、排尿障害も改善したが、両下肢麻痺は依然として治らなかった。一旦破壊された神経は元に戻らないが、この病気の再発・悪化を防ぐことはできる。以前よりこの病気に関しては伝統医学による治療成績がかなり良好であることが知られている。 30名の多発性硬化症に対して伝統医学的診断に基づいて生薬治療をしたところ、治療しなかった15名の患者の年平均再発率1.07に比べで再発率が年平均0.01回となりほとんど再発せず、従って症状は悪化しないとの報告がある。伝統医学治療はこの病気の原因となる病態を改善することができる思われる。視力障害や神経障害が軽度なうちに、できるだけ初期の段階から的確な漢方治療を始めれば悪化せず進行せず長期寛解状態で過ごせる。 近縁の病気に視神経脊髄炎があるがこの場合は多発性硬化症とは伝統医学的には病態が異なるが、的確な診断・漢方治療を行えば同様に再発を防ぐことができると考えられる。この病気の場合も免疫異常があるから必ず発病するわけではない。発病にはそれ以外の五臓六腑の病態が関与すると思われる。 この五臓六腑の病態を改善するのが漢方治療である。 結果として再発・悪化を防ぐことができる。

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岡部哲郎(医師)

岡部漢方内科

先端医療の研究者・医師としての経験と中国伝統医学への知見を併せ持ち、難治性疾患や原因不明の症状の背景を探る多角的な視点と、一人一人に向き合う姿勢で統合医療に取り組んでいます。

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