「社員を壊す」経営者
野球の話だ・・・
100球未満で完封した投手のことを
【マダックス】と呼ぶことをご存じだろか?
今年のプロ野球では4年ぶりに2名が達成
・ヤクルトの小川投手:99球(5/15)
・楽天の早川投手:98球(5/16)
◇完封:得点を奪われず一人の投手が投げ切ること◇
(完投:失点はしたが最後まで投げ切ること)
1990年代のメジャーにおいて
最も優秀な投手の一人と言われる
『グレッグ・マダックス』
パワーピッチャーが脚光を浴びる中
精密機械のようなコントロールと多彩な変化球
更には堅実なフィールディングを駆使して
(当時の)筋肉増強剤で
鎧をまとったスラッガー達を手玉に取り・・・
*通算勝利数:355勝
*100球未満の完封勝利:13度(凄すぎる)
*サイヤング賞:4回
*ゴールデングラブ賞:18回
*2014年に野球殿堂入り
この実績と栄誉に称賛の意味も込めて
「100球未満の完封投手」を【マダックス】と呼ぶ
超省エネな天晴れ投球術
ビジネスに置き換えれば
実に見事な生産性の高さと言えよう
ちょこっと考察
ご存じ野球は
出来得る限り得点を奪われずに
27個のアウトを取るスポーツ
(3アウト ✕ 9イニング)
*1試合を99球で完封するとは
→ 1イニングの平均球数:11球
→ 1人当たりに要する球数 ≒ 3.67球以下
いかにコントロールが良く
早めに打ち取っているかがわかる
(四死球なんてもってのほか)
*1勝利で100万円を手にすると仮定
→ 99球での勝利:10,101円/球
→ 150球での勝利:6,667円/球
いかにコスパがいいかも如実に伝わる
単なる
スピードやコントロール以上に
手元での微妙なスライドや
心理的な駆け引きや
投手が常に有利な空気感や・・・
(きっと)結果的に
守りのリズムが整い
その流れが自軍の攻撃面に活かされ
「試合に勝つ」という後ろ姿と安心感と
圧倒的な目的意識が
チームのパフォーマンスを底上げしている
(に違いないと私は勝手に推測・・)
これこそ単なる省エネではなく
究極の「生産性の向上」と「業務効率化」
といった戦略だと言わざるを得ない
本来意義
手が出ない~当たらない
といった160キロ超の
スピードボールは魅力的だ
しかしながら球数が増えたり
遠くへ飛ばされたり
故障が付きまとう・・・
といったリスクも背中合わせ
一方マダックスのように
相手がつい手を出してしまうような駆け引き
勝利からの逆算思考
ペナントレースという長丁場における
他の投手陣の負担減
なんだかビジネスにおける
マネジメントや組織のあり方・・
目的と手段の本来意義・・
といったようなものが
マダックスを通じて
別の角度から教えてくれているような
気がするのです
御社のマダックスは?
間違っても
ただ単に球数が少なければ
いいという話ではない
*三振かホームランか
・・・といった真剣勝負も
*投手戦より打撃戦
・・・といった醍醐味や面白さも
観客を熱狂させるには大切な要素だと承知
それらは
ビジネスに置き換えても
ステークホルダーから
いかに魅力的に写るかと同様の観点だ
言いたいのは
視座のバランスが大事だということ
点を取ることに視野が向きがちだが
・点を取られない事
・コントロールや守備を大切に扱うこと
・球数にこだわること
・リズムやテンポがいかに重要かということ
それって
あなたの業務においては何にあたるだろうか?
そんな
「ムリ・ムラ・ムダ」の見直しや
「基本(原点や本質)」の再確認にこそ
本当の意味での
・働き方改革だったり
・ライフワークバランスだったり
・生産性や業務効率の
『核』が潜んでいるのだと私は思うのです
企業においても
速い球を投げる人や
遠くへ飛ばす人が評価されがちですが
100球未満の完封を
【マダックス】と称するように
御社ならではの
「○○を◆◆出来たら」といった基準に “名前” を付けて
本質と方向性の足並みを揃えてみるのも
いいかもしれませんよね
と言いつつも
大谷翔平選手の連日の活躍に
心を揺さぶられ
スーパーマン的
パフォーマンスを目の当たりにすると
やっぱり
剛速球と豪快なホームランだよなって・・・
今日のコラムが
「なんだかなぁ」って伝わっちゃうことも
正直認めて・・・しなります!!
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