「社長は孤独だ」は嘘だった？倒産社長が語る、判断を誤らせる心の闇と本当の相談相手【才藤　投稿】

「社長は孤独な決断の連続だ」。多くの経営者が、この言葉に頷くのではないでしょうか。事業の責任を一身に背負い、誰にも弱音を吐けず、一人で戦い続ける。しかし、その「孤独」が、実は経営における最大の敵かもしれません。今回は、私自身の倒産経験を振り返りながら、経営者の判断を曇らせる「孤独の正体」と、本当の意味で頼るべき相談相手の見つけ方についてお話しします。「社長は孤独だ」と思い込んでいるあなたにこそ、読んでいただきたい内容です。

元倒産社長の告白：わたしが会社を潰した3つの判断ミスと「孤独」

年商4億円を達成し、順風満帆に見えたわたしの会社がなぜ潰れたのか。その根底には、常に「孤独」からくる判断ミスがありました。
1.規模拡大の罠：「もっと、もっと」という焦り
周りの景気が良いと、「うちも乗り遅れてはいけない」と焦りが生まれます。身の丈に合わない投資、急激な人員増強。誰かに「一旦立ち止まれ」と言ってほしかったのですが、イケイケどんどんの雰囲気の中、諫言してくれる人はいませんでした。社長の決断に誰も反対できない状況こそ、孤独の始まりです。
2.従業員への不信感：「どうせお前らには分からない」
資金繰りが苦しくなると、従業員の何気ない一言さえも「会社の事情も知らないで…」とネガティブに捉えてしまいます。情報を共有せず、一人で問題を抱え込むことで、社長と現場の間に深い溝が生まれていきました。信頼できるはずの仲間を信じられなくなる、これもまた孤独のなせる業です。
3.相談相手の不在：「こんな話、誰にもできない」
銀行には良い顔をしなければならず、家族には心配をかけたくない。同業の仲間にはライバル意識がある。結局、「こんな恥ずかしい話は誰にもできない」と、最も重要な問題を隠し通してしまいました。これが決定的な判断ミスを招いたのです。

「破産しても人生は終わらない」は本当か？経験者が語るリアルな

すべてを失った先に、何が待っているのか。これは経験者にしか語れません。
•失うもの:
　o社会的信用: クレジットカードは作れず、ローンも組めません。賃貸契約さえ難しくなることがあります。
　o財産: 持ち家や車など、価値のあるものは基本的に手放すことになります。
　o人間関係: 悲しいことですが、離れていく人もいます。
•それでも残るもの、得られるもの:
　o経験: 倒産という壮絶な経験は、何物にも代えがたい「学び」となります。金のありがたみ、人の温かさ、そして経営の本質が見えてきます。

「社長は孤独だ」は嘘だった。本当の相談相手の見つけ方

孤独から抜け出すために、わたくしたちは3種類の相談相手を持つことを推奨します。
1.専門家: 税理士や弁護士、経営コンサルタントなど、客観的な視点で具体的な解決策を示してくれる存在です。
2.経営者仲間: 同じ立場で悩みを共有できる仲間は、何よりの精神的な支えになります。利害関係のない異業種の仲間が理想です。
3.メンター: 自身の経験を元に、あなたの進むべき道を照らしてくれる人生の先輩です。
重要なのは、彼らに「正直に話す」勇気を持つことです。カッコ悪い自分、情けない自分をさらけ出して初めて、本当の信頼関係が生まれます。

【まとめ】

「社長は孤独だ」という言葉は、一人で抱え込もうとする経営者の甘えや思い込みが生んだ幻想なのかもしれません。失敗は終わりではありません。むしろ、新たな始まりです。その壮絶な経験を共有し、支えてくれる仲間を見つけること。それこそが、孤独という最大の敵に打ち勝ち、力強く再起するための第一歩なのです。わたしたちのような自身も倒産経験者があるコンサルタントに相談することが解決の近道ではないでしょうか。