切迫倒産だけは避けたい!その理由について【才藤投稿】

内藤明亜

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テーマ:倒産の周辺


切迫倒産とはどういうことか?

【切迫倒産】と【予知倒産】の違いを簡単に紹介したほうが分かりやすいと思います。
【切迫倒産】: 最後までがんばる。ダメージが重く再起が難しくなる倒産。
【予知倒産】: 少し早めに諦める。ダメージが軽く再起しやすい倒産。
上記のとおり、当事務所としては予知倒産の段階で相談に来くることを勧めている理由がお分かりいただけるはずです。わたくし、才藤も予知倒産の段階で相談にきたためダメージも軽く再起が早く出来ました。
事業が上手くいっている時も、うまくいかないと時も、先手先手で適切な判断・決断が経営者には求められます。
その判断・決断は経営危機から身を守るためだということを認識すべきです。

経営危機に陥る経営者の肖像

【切迫倒産】という言葉は、経営者にとっては重いものです。なぜ、最後までがんばる経営者が多いのでしょうか。その背後には、ある種の気質や価値観が影響している言えます。特に、真面目で誠実な経営者は従業員、取引先、金融機関、家族に迷惑を掛けたくないという思いが強く、過去の成功体験から抜け出せず僅かな可能性に希望に託すが、傷口を広げてしまっていることに気付かない、またはその現実を受け入れたくない傾向があります。ここで大事なのはそのまま進むのではなく一度、勇気をもって立ち止まるということです。
今までやってきたことを振り返ることよりも、これから何ができるのかどうするのかに重点を置く考え方に切り替えることも重要です。

最後までがんばるメンタリティ

‟無理を承知で倒れるまで頑張る“ 経営者は、自身の財産や社員、家族の生活に影響を及ぼす事業経営の世界で、最後まで諦めずに戦います。スポーツなどの競技では理解できるかもしれませんが、ここでは認められないことです。
〇再起の機会を逃す:
経営者は、最後まで頑張ることで再起の機会を逃してしまうことがあります。倒産の兆候が現れているにもかかわらず、次のステップへの準備ができていないため、立ち直るチャンスを逃してしまうことがあります。
対策: 経営者は、早期に経営危機を認識し、適切な対策を講じることが重要です。財務状況の分析やリスク評価を行い、適切な戦略を立てることで、再起の機会を最大限に活用できます。
〇感情的な固執:
自身の会社に対する感情的な愛着やプライドから、経営者は最後まで頑張りたいと思うことがあります。しかし、感情的な固執が冷静な判断を妨げることもあります。
対策: 経営者は、感情と冷静な判断をバランスよく持つことが求められます。外部のアドバイザーや専門家と協力し、感情に左右されずに適切な判断を下すことが重要です。
〇経済的な損失:
最後までがんばる経営者は、多額の資金や時間を投資しています。倒産はこれらの投資を無駄にすることになり、経済的な損失を招きます。
対策: 経営者は、リスク管理を徹底し、適切な資金計画を立てることで、経済的な損失を最小限に抑えることができます。
〇社会的なプレッシャー:
倒産は社会的な評判にも影響を及ぼします。経営者は「後ろ指を指されることを避けたい」という気持ちから、最後まで頑張ることがあります。
対策: 経営者は、社会的なプレッシャーに左右されず、自身の信念とビジョンを持ち続けることが大切です。透明性を保ち、ステークホルダーとのコミュニケーションを重視することで、評判を守ることができます。
〇未来への準備不足:
経営者は、倒産の可能性を考慮しながら、次のステップへの準備を進める必要があります。しかし、焦りや感情的な固執から、この準備が不足することがあります。
対策: 経営者は、計画的なリスク管理と将来の展望を考慮し、柔軟性を持った戦略を立てることで、未来への準備を整えることができます。
これらの要因が組み合わさり、「無理を承知で倒れるまで頑張る」メンタリティが生まれています。しかし、適切なタイミングで諦めることも重要であり、【予知倒産】の視点を持つことが経営者にとっては求められています。

切迫倒産の課題

最後までがんばる経営者は、再起の機会を逃してしまうことが多いです。なぜなら、上記でも述べたように次のステップへの準備ができていないからです。
準備が出来ていないと何が問題になり得るか?
切迫倒産は資金的に追い詰められている度合いが非常に高く、下記の資金を確保出来ないという危険度があがります。
1.解雇予告手当とXデーまでの従業員の給与
2.連鎖倒産の恐れがある取引先への手当
3.弁護士費用・裁判所に納める予納金
4.認められている自由財産(例:現金99万など 当面の生活資金)

まとめ

経営者は、自身のメンタリティや価値観を見つめ直し、【予知倒産】の視点を持つことで、より柔軟かつ効果的に経営危機を乗り越えることができるはずです。ゼロゼロ融資の副作用が顕在化し全国的に倒産件数の増加は進んでいる状況は他人事と思わず経営危機と向き合い早期の気付きと適切な判断・決断が重要になってきます。

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内藤明亜
専門家

内藤明亜(経営コンサルタント)

内藤明亜事務所

27年間で1000人以上の経営者の経営危機の相談に対応した実績。自らの倒産経験を活かし、経営者の苦悩や困難に寄り添い、倒産後の人生まで見据えた対応が可能。倒産処理に精通した弁護士の知り合いも多い。

内藤明亜プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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