放置逃亡と時効:経営危機と再生のジレンマ【才藤投稿】
今回はこのテーマについてわかりやすく説明します。
まずは対談形式でのやりとりをご覧ください。
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倒産相談の面談室で、個人の破産に直面した夫婦が座っていた。
会社経営者のご主人は、会社の債務の連帯保証をしており、個人の破産が避けられない状態に追い込まれていた。
質問者はその奥さんで、生命保険についての疑問を抱えていた。
「主人の破産が避けられないのですが、生命保険はどうなりますか?」と奥さんが尋ねた。
わたしは、彼らの状況を理解し、適切なアドバイスを提供する役割を果たしていた。
「それは会社がかけている生命保険ですか、それとも個人の生命保険ですか?」と冷静に質問した。
「個人の分です。主人の名義で私がかけているものです」と奥さんが答えた。
わたしは説明を始めた。「生命保険は財産ですから、破産すると解約返戻金が20万円以上あれば、それは解約して配当に充てられることになります。
解約返戻金が20万円以下ならば、そのまま契約を続けることができます。」
奥さんは悩んだ表情で続けた。「満期が近いので、解約するととても損することになるのですが…」
わたしは考え込んだ。「そうでしたら、契約者貸付を受けるか、解約するしかないでしょう。解約返戻金はどのくらいですか?」
「200万円ほどです」と奥さんが答えた。
わたしから一つの案を提示した。「それでは、180万円以上を契約者貸付けを受けて、解約返戻金を20万円以下にした方がいいでしょう。ただし、生命保険会社によっては80%までしか契約者貸付けが受けられない場合もあるので、事前に調べてください。」
奥さんは不安そうに問いました。「解約返戻金が20万以上になった場合はどうすればいいのでしょうか?」
わたしは言った。「その場合は、解約しかないでしょう。契約者貸付と解約のどちらがいいのか
は、本人がどうしたいのかのです。どちらの優先順位が高いか、よく考えましょう。」
奥さんは最後の疑問を投げかけた。「保険会社に尋ねたら、契約者貸付はできないといわれたのですが…」
わたしは冷静に答えた。「保険会社によっては契約者貸付をよろこばないところがあるようなので、窓口などでは拒否されることがあるかもしれません。しかし、少し粘って交渉してみてはいかがですか?」
奥さんは最後の望みを託して言った。「契約者の名義を変更することはできますか?」・・・・
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対談については今回ここまでとします。
いかがだったでしょうか。
自己破産において生命保険の取り扱いはとても重要です。以下に補足説明をします。
1.自己破産と生命保険の関係
o自己破産手続きを行う場合、自分が持っている財産を換金して債権者に配当する必要があります。
o処分対象となる財産には、不動産や自動車の他に、生命保険の解約返戻金などの積立型保険も含まれます。
2.解約返戻金の処分基準
o加入しているすべての保険の解約返戻金の合計が20万円を超える場合、処分が必要な財産とみなされます。
o終身型の生命保険は解約時に過去に支払った保険料の一部を返戻するケースが多く、解約返戻金の額は保険料を支払っている期間によって変動します。
3.掛け捨て型保険と解約返戻金
o掛け捨て型の保険でも、解約返戻金が発生する場合があります。例えば、火災保険や自動車保険の解約返戻金は、未経過期間分の保険料について返戻されます。
4.公的保険と自己破産
o国民健康保険や国民年金、厚生年金などの公的保険は、自己破産の影響を受けません。これらは非免責債権であり、自己破産しても支払い義務は免除されません。
5.裁判所による自由財産の拡張
o裁判所から自由財産の拡張を認められた場合、保険が換価処分される必要はありません。
まとめると、生命保険の解約返戻金が見込める場合、自己破産時には注意深く取り扱う必要があります。保険契約の内容や解約返戻金の額を確認し、適切な対応を取ることが重要です。何も知らないで対策をしないまま申し立てすると残せるはずの自由財産さえ失うことになります。再起をしやすい環境を整えるという観点からも限りある資産を最大限、残せるよう事前準備をしてきたいところです。
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