小規模零細事業の経営理論:持続と適切な規模について【才藤投稿】

内藤明亜

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テーマ:小規模零細企業の経営者の周辺

わたくしは事業経営において、「持続と適切な規模」が重要だと考えています。経済的成功は大切ですが、それを第一義的な目的とすることには疑問を持っています。
経営状態がが上向くのは突然起こることではなく必然的に起こることです。
そして会社が倒産に至るにも必然性がある言えます。

無理な拡大再生産はギャンブルとなり、事業運営の障害になることもあります。背伸びせず、必要最小限の事業規模を維持し、経済の停滞期にも柔軟に対応することが望ましいと考えています。

わたくしは事業経営を「エンジニアリング」と捉え、ごく緩やかな拡大再生産を理想としています。
事業経営において、「持続と適切な規模」が重要だと考えています。この視点は、当事務所が28年以上にわたり経営危機のコンサルテーションを行ってきた経験から得た理論です。経済的成功は重要ですが、それを第一義的な目的とすることには疑問を持っています。

事業は永遠につづくことはありません。事業には衰退期や低迷期が必ず訪れます。経営は、商品やサービスを安定供給する必然や、雇用を維持する必然などから、これを持続させることを目的化することは充分に必要なことと考えています。適切な規模を維持しながら持続させることが小規模零細規模の経営の醍醐味だとも思います。

経済的成功を目的とすると、事業経営の運営上にさまざまな「無理」が生じてしまうことがあります。極端かもしれないが例として:
〇売上至上主義(売り上げさえあればいい)で、売上にしか興味がない。
つまり、下記のようになるだろう。
・顧客満足よりはいかに利益率の高い商品やサービスを優先
・薄利多売になり利益はどうでもいい
・売上利益だけをみて、営業利益や経常利益をみない(そもそも違いが分らないことも)
・利益を優先するあまり必要経費を削減。人件費、福利厚生費、人材育成には興味がない。

冷たい言い方かもしれないがこれらは、本来の事業経営の目的ではないと思います。私は、利益を出さなければ(出せなければ)事業経営をする意味はない、と考えています。経営危機コンサルタントとして、私が顧問をしている契約先に対応するときは、必ず利益が出せるように最大の配慮を払っています。

ただし、その利益を「無限拡大」させることには大いに疑問を持っています。無理な拡大再生産は事業にギャンブル性をもたらし、事業運営の障害になることもあります。したがって、背伸びせず、必要最小限の事業規模を維持し、経済の停滞期にも柔軟に対応することが望ましいと考えています。

経営危機コンサルタントとしての私の視点は、当該事業が勢いを失って停滞しはじめたところを見極めることです。無理な拡大再生産は、事業の価値を正当に評価せず、やみくもに事業の拡大をはかることです。この考え方の正反対にあるものが、倒産する事業経営者の多くが陥る隘路です。

わたくしは、事業経営を「エンジニアリング」としたいと願っています。背伸びせず、必要最小限の事業規模を維持し、経済の停滞期にも柔軟に対応することが、持続的な成功への道だと信じています。まずは自分の立ち位置と身の丈を知ることが重要ではないでしょうか。

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内藤明亜
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内藤明亜(経営コンサルタント)

内藤明亜事務所

27年間で1000人以上の経営者の経営危機の相談に対応した実績。自らの倒産経験を活かし、経営者の苦悩や困難に寄り添い、倒産後の人生まで見据えた対応が可能。倒産処理に精通した弁護士の知り合いも多い。

内藤明亜プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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