逗子がけ崩れ事故に見る擁壁の扱い
最近でも怪しい不動産屋さんはいます。
マイホームだけでなく、投資用物件を取得する際にもローンを組む場合がほとんどですが、投資用の場合には住宅ローンは使えません。
「アパートローン」や「投資不動産向けローン」といった名称の融資商品を使います。
住宅ローンはマイホームとして自分や家族が住むための家を取得するための融資です。
投資用のローンは当然のことながら住宅ローンよりも金利が高めに設定されているほか、金融機関が評価した金額以上の融資は出ないのが一般的です。
少し前に、スルガ銀行などの事件がありました。
金融機関と不動産業者との間で与信書類の捏造や、物件情報の操作などが行われた結果、本来ではそこまで出ないであろう評価を引き出し、借りられないはずの人にも融資が下りてしまうという事態が問題になりました。
先日、そうしたケースに該当しそうな物件についての相談をお受けする機会がありました。
2件の投資用不動産を保有しておられましたが、そのうち1件(アパート)はしばらく前に、もう1件(区分所有のマンション)は1年ほど前に同じ仲介業者を通じて取得されたようです。
どちらも築20年前後の中古です。
1件目のアパートはハザードマップ上のリスクはあるものの稼働率も高く、キャッシュフロー上も大きな問題はなかったのですが、問題は2件目のマンション。
住宅ローンで借り入れ、投資用として賃貸されていました。
ファミリータイプの物件で当初は自分で住んでもいい、というつもりで購入されたとのことですが、実際には住民票だけ一度移したものの、一度も居住しないまま賃貸されているようです。
金融機関等からの郵送物等は入居者に受け取ってもらい、転送してもらうように依頼しているとのこと。
おそらく不動産屋さんからそうしたテクニックを指南したのだと思います。
住宅ローンで借り入れて実際には居住していないことが金融機関に知られた場合、一括返済を求められる可能性もあります。当然そのくらいのリスクは承知されていると思います。
取るべき選択肢は2つ。
・アパートローンに借り換える
・売却する
アパートローンに借り換えれば金利も上がりますのでキャッシュフローは悪化します。その物件の場合は借り換えると単年度のキャッシュフローは満室でほぼトントンというところかと思われます。
実際には滞納などがない限り、金融機関にバレることはほとんどないとは言われています。しかし、万が一金融機関に知られ、一括返済を求められた場合には物件を売却した資金で返済せざるを得ないでしょう。
しかし、その物件の現在の市場価格をざっくり算出したところ、購入価格はかなり割高。いま、売りに出してもかなりの額の持ち出しになります。
ご家族のことを考えてもアパートローンに借り換える方がリスクは低いでしょう。
そういうケースがあるとは聞いていましたが、いざ目の当たりにすると怒りすら覚えます。
と思っていたら、先日発売された「正直不動産」というマンガの9巻で全く同じような事例が描かれていました。
(このマンガ、悪徳不動産屋の闇を暴くものでなかなか読みごたえがあります)
世の中には、不動産投資についてあまりに知識不足のまま、悪い不動産屋さんにそそのかされてしまう人がいます。
安心して相談できる不動産屋さんをぜひ見つけてほしいと思います。
西山ライフデザインでは、不動産仲介のほか、コンサルティングやほかの不動産屋さんの指摘や相談に関するセカンドオピニオンもお受けしています。