経営を「四次元」で捉える(第1部) 空間軸 ―「場所」が経営戦略の中心になったわけ

浅沼正治

浅沼正治

テーマ:マネジメント

経営を「四次元」で捉える(第1部)
空間軸 ―「場所」が経営戦略の中心になったわけ


経営資源の定義が変わった



経営学の教科書では、経営資源を
「ヒト・モノ・カネ・情報」
の4つとして説明してきました。

この定義自体は、今も変わっていません。

しかし実際の企業現場に立つと、
この4つの枠組みだけでは説明できない問題が起きていることに気づきます。

2012年、私は物流子会社の社長を務める傍ら、
オフィス構築の施工現場を統括する役割を担うことになりました。
工務管理センターの責任者として、多くのオフィスづくりに関わることになります。

内装、電気、通信、什器搬入…。
さまざまな工程が複雑に絡み合いながら、一つのオフィス空間が形づくられていく。

その現場に立ち会う中で、私は次第に
空間と施設の利用環境の重要性を強く意識するようになりました。

スペースの考え方、素材の選択、人の働き方、費用の構造…。
それらは決して固定されたものではなく、
時代によって大きく変化するものでもあると感じました。

そして私は、ある一つのことに気づきます。

空間の使い方そのものが、経営資源なのではないか。

従来の「4資源」から何が変わったのか

ヒト・モノ・カネ・情報という4つの資源は、今も存在します。
しかし現代の経営では、その意味合いが大きく変わってきています。

ヒトは、単なる労働力ではなく、
創造性や主体性を持つ存在へ。

情報は、単なるデータではなく、
洞察や関係性を生み出す知識へ。

そして同時に、これまであまり意識されてこなかった
二つの要素が浮かび上がってきます。

それが

空間
そして
時間

という軸です。


空間軸 ― ファシリティマネジメントという戦略


私が2013年に
認定ファシリティマネージャー(CFM)
の資格を取得したのは、この気づきを体系的に理解し、実践に活かすためでした。

ファシリティマネジメント(FM)は、単なる不動産管理ではありません。

従業員の創造性を引き出し、
組織の活力を高めるための
戦略的な「場」づくりです。

「場所」が変わると、人の動きが変わります。
人の動きが変わると、組織のナガレが変わります。

空間が戦略的に設計されたとき、
初めて創造性を生み出す土壌が整います。

人間関係が育ち、
組織のエネルギーが循環し始める環境が形づくられるのです。

空間と対話

しかし、「場所(ハード)」を整えるだけでは十分ではありません。

その空間を本当に機能させるものがあります。

それが
対話
です。

対話が起きやすい「場」が整ったとき、
組織のナガレは変わり始めます。

ファシリティマネジメント(空間の設計)と
対話(その空間で生まれるコミュニケーション)。

この両者が揃ったとき、
人は創造性を発揮できる環境が初めて実現します。

あなたの組織の「場」は戦略的に設計されていますか

組織が成長する過程で、
「場所」という視点を持つこと。

創造性を引き出す環境を
戦略的に設計していくこと。

経営資源の意味が変わりつつある時代に、
あなたの組織はこの 「空間軸」 の重要性に気づいているでしょうか。

次のコラムでは、もう一つの軸である

「時間軸」 ― ロジスティクス

について考えてみたいと思います。

もし、あなたの組織の 「ナガレ」 を
一緒に整えるところから始めてみませんか。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

浅沼正治
専門家

浅沼正治(経営アドバイザー)

モノコトフロー研究所

経営と現場をつなぐ「思いの流通」を整え、対話を通じて社内コミュニケーションの活性化を支援。目の前の課題解決にとどまらず、未来へ向けた時代デザインにつながる組織づくりを伴走します。

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

経営と現場のあいだに立ち流れを整える対話支援アドバイザー

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京の組織開発・人材開発
  5. 浅沼正治
  6. コラム一覧
  7. 経営を「四次元」で捉える(第1部) 空間軸 ―「場所」が経営戦略の中心になったわけ

浅沼正治プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼