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医療機器管理代行という仕事について

田中嘉一

田中嘉一

テーマ:医療機器メンテナンス

現在私は医療機器の保守点検を代行(アウトソーシング業)する仕事をしていますが、実はこの仕事を始めたのは2001年6月からで、既に21年間やっています。私が今の仕事を始めるに至った経緯についてお話しておこうと思います。
まず、2001年より遡ること5年前に私は新潟で日本光電という医療機器メーカーのセールスエンジニアをやっておりました。この仕事は営業として自社製品や他社の商品を販売するだけでなく、アフターサービスとしてメンテナンスも行っておりました。
現在では営業とサービスは分業制になっていると思いますが、当時は1営業員がメンテンナンスもこなす言わば二刀流でした。
外回り中はもとより休日夜間を含めた時間外にも何か不具合(不具合らしきものも含む)があると病院から連絡が来てすぐに現場に急行。有事に対応するのが日課となっていました。

この頃より前に臨床工学技士という制度がスタートしたばかりの頃で、この時点では透析の仕事を行うのが一般的な臨床工学技士でしたので、大学病院などでは人工心肺操作を行っていましたが、そうでない病院では病棟やICUなどの医療機器の管理はメーカーやディーラーが行っていました。

おかげで我々メーカーの営業員は手術や心カテなどの臨床業務にも病院からの要請で駆り出され、デモや納品という名目で自社製品を貸出臨床に立ち会う仕事を日常的に行っていました。

現在の臨床工学技士の業務を当時はメーカーやディーラーが担っていたのです。

そんな折、私の中である発想が芽生えました。それは、今は生まれたばかりの臨床工学技士は数が少ない、多くは透析などの臨床業務に手を取られて危機の保守点検などに手が回っていないからメーカーの仕事が忙しくなるのだと。
ここをカバーするサービスが有れば売れるのではないかということです。
さっそく私は都内の大学病院の臨床工学科を中心にリサーチに回ったところ需要があったことが確認でき、保守点検を行う臨床医工学技士の派遣サービスをやろうと準備と調査を始めました。
その最中私に転勤辞令が出され、都内のペースメーカー専門部隊に配属されることが決まり、そこで4年間ペースメーカーの販促を行いましたが、この時の上司が何でも話せる方で、臨床工学技士派遣の話をしたところ興味深く聞いていただき、この上司が色々あって日本光電を退職。静岡に本社を置くディーラーに転職し、東京部隊を立ち上げます。
この時に私のビジネスモデルを医療機器保守点検アウトソーシング業にアレンジして社内ベンチャーとして起業するから一緒にやろうと誘ってくださり、当時外資のペースメーカー屋で名古屋に居たのですがここを1年で辞め上司に合流しました。

この時の我々のコンセプトは臨床工学技士不在・機器管理に手が回らない病院における医療機器の保守点検サービスで、飛行機や車はメンテナンスがかなりシビアなのに、人命に直結するする医療機器がこの点が甘すぎることを憂いての船出だったのです。

今は臨床工学技士さんの頑張りで多くの病院で機器管理が行われるようになりました。

しかしながら、まだまだ多くの医療機関では臨床工学技士が不在です。
私は、7年前に独立しこのような医療機関に対して支援を行うことで医療の質の維持・向上に尽力できればと孤軍奮闘の日々を送っております。

これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

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田中嘉一
専門家

田中嘉一(臨床検査技師)

MEテック・ラボラトリー合同会社

医療機器保守点検・安全管理のエキスパート。300床以下の病院を対象に、「医療機器安全管理と運用」「コストダウン」「丁寧な病院内研修・指導」の3本柱で、病院の医療ミス防止の一翼を担っている。

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