心電図モニターについてあるあるな事例
シリンジポンプにまつわるインシデントの経験談です。
私がかつて医療機器保守点検契約をしていた病院さんで起こった(実際は未遂)事例です。
一般病棟を巡回していた時に、患者さんがベッドが苦手ということで、畳を敷いてその上に患者さんを寝かせる方法を取っていたケースがございました。
この患者さんにはシリンジポンプが使用されていて、点滴スタンドに取り付けられておりましたが、その高さが床上1m程の高さに接地されていました。
皆さんお気づきの通り、患者さんは殆ど床に寝ていますので、患者さんとシリンジポンプの高低差が約1m程有ったわけです。
ここで起こり得る事故はサイフォニング現象です。
皆さんご存知の通り、この現象はこの様な高低差が有った場合、万一シリンジの押し子がシリンジポンプのロックから外れてしまった時に、位置エネルギーによって自然に薬液が注入されてしまう現象です。
ましてや高低差1mとなると結構な速さ(おそらく1000ml/h以上)で落ちていきますので、徐々に入れていかなければ行けない薬剤を一気に入れてしまう事になり、健康被害を起こす危険性があります。
当然このケースは当該病棟の師長さんに説明し、最初はごねられましたが何とかポンプ高さを床面近くまで下げさて頂いた次第です。
この事例で分かることは、医療安全を担当していない看護師の場合医療機器に纏わる事故に
あまり関心が無い事です。
急には変わりませんが地道に継続して啓蒙していくしかないと感じました。
是非、この部分の見直しを行ってみてください。