自閉スペクトラム症児の診断~2021年に診断された三男の場合
現在、発達支援・子育て支援コーディネーターとして、ある幼稚園のサポートをさせていただいています。
先日は入園式がありました。
入園式は、主役の年少さんはもちろんのこと、年中さんや年長さんも、環境の変化や慣れない大舞台でそわそわしがち。
不安な気持ちに寄り添いながらも、入園式を「みんなで迎える大事な日」と考え、子どもたち一人ひとりが「自分も式をつくっている一員だ!」と感じられる支援をすることが大切です。
以下に、そのポイントを「式の前→式の最中→式の後」にわけてまとめてみました。
幼稚園や保育園の先生向けの内容です。ぜひお読みください。
1.入園式の前
〇見通しを伝える
・「これから何があるのか」「どのくらいで終わるのか」を説明しておくと安心します。
・ことばの説明だけでは不安になってしまう子の場合は、動きがわかる掲示をしたり、式次第の絵カードやタイムラインなどがあるとよいでしょう。
・感覚過敏のある子の場合は、どんな場面で音や刺激があるか予告しておきましょう。
〇役割を与える
・役割があることで「自分も式をつくっているんだ!」という自覚が生まれます。
・「拍手係」「見守り係」「応援係」などをお願いすると、頼られているという気持ちからピシッとしやすい子がいます。
〇事前に成功体験を積んでおく
・「1分座るチャレンジ!」などで座る練習をしたり、拍手の練習をしたりと、ゲーム感覚で成功体験を積んでおけると楽しんで参加できることがあります。
2.入園式の最中
〇集中しやすい座席配置にする
・動きやすい子同士の座席の位置は、離しておけるとよいでしょう。
・動きやすい子のそばに先生がいるだけで落ち着きやすくなります。
・感覚過敏のある子の場合は、その子にとって苦手な刺激がなるべく入らない場所にしてあげましょう。
〇視覚的に参加を促すサポート
・何をしていいかがわからずに不安にならないように、式次第の絵カード持たせ、「次は何かな?」と一緒に確認しましょう。
・タイムラインを活用し、マグネットやシールで式の進行を一緒に動かすこともよいでしょう。
〇体を使った参加型サポート
・じっと座るだけではない「動ける役割」をつくり、歌や拍手など動きを伴う場面でしっかり参加してもらいましょう。
・ジェスチャーで「いま何の時間?」「お話の時間!」と伝える
・姿勢リマインダーとして「ピカピカ姿勢」をゲーム感覚で伝える
〇気持ちを切り替える支援
・飽きたり疲れたりする前に、「今〇〇の時間、次は〇〇だよ」とこまめに予告してあげましょう。
・「あと2つでおしまいだよ!」など、式の途中で「がんばりポイント」を示しましょう。
・成功したらささやかなご褒美ワード「今のお話聞けたね、すごいよ!」などを伝えましょう。
3.入園式の後
〇がんばったことを具体的にほめる
・「拍手上手だったね!」「座ってお話きけたよね!」「最後までいられたね」など、その子ががんばったことを具体的にほめてあげて、次につながる成功体験にしてあげましょう。
まとめ
大切にしたいのは、「その場にいられるだけで◎」から一歩先の支援。
お子さま一人ひとりが「自分も式をつくっていると感じられること」、そして「みんなと一緒にがんばる実感を持てること」です。
先生たちみんなが意識合わせをしておくと、とてもいい雰囲気の式典になると思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【次回へ続きます】