「テストが楽しみになった」「子どもが変わった」。自信を高め、着実な一歩へと導く学習塾（2/3）

教育事業大手で実績28年、子どもたちの自己肯定感を高めるサポート役を志す

　子どもたちに、生きる喜びや学びの大切さを伝えたいと、一歩塾を始めた上山さん。大学卒業後は、教育事業を手掛ける大手企業に入社。小学校から大学までを対象に、子どもたちの学びの成長をサポートする業務に就いていました。

　「文部科学省が定める学習指導要領も踏まえ、どんな内容であれば、子どもたちに必要な力を育んでいけるのかを考えてきました。子どもたちに、より良い学びを提案していく仕事は有意義で、得るものが多くありました」
　
　充実感を覚えていた上山さんでしたが、一つだけ気になることがありました。自分に自信が持てなかったり、元気がなかったりする子どもたちの姿です。
　「国の調査を見ても、日本人の自己肯定感は世界の国々と比べて低いという結果が出ています。若者の自殺が多いのも、非常に残念なことだなと思っていました」

　子どもたちには、「自分はできるんだ」と自らの可能性を信じてほしい。もともとチャレンジ志向が強かった上山さんは、28年間勤めた会社を早期退職します。子どもたちのすぐそばで後押ししていきたいと、2021年に開校しました。

　「勉強が苦手な子にも、興味を持ってもらえるように数字パズルのプリントを渡してみたんです。すると、普段のテストでなかなか点数がとれない子が、友だちよりも早く解けたんです。すごくうれしそうな笑顔が印象的でした。さまざまな工夫を凝らしながら、子どもたちの『できる』を引き出していきたいですね」

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