「終活」は死の準備ではなく、セカンドライフの心配事を減らし、楽しく生きていくための活動（1/3）

在宅介護へとシフトする中、最晩年まで在宅で元気に暮らすためには自己防衛が不可欠

　「終活という言葉が誤解されていると思うんです」と語るのは、「晴れるや」の代表で、ファイナンシャル・プランナー（AFP）＆終活カウンセラーの田中まさこさん。セカンドライフのサポート窓口を開き、広報の一環として駅頭でティッシュ配りをした際、「早く逝けと？　私に死ねというのか」と叱られたこともあるのだとか。
　「『ティッシュじゃそんなことできませんよ』って返しましたけど」と振り返りつつ、「終活とは、死を迎える準備ではなく、人生の終わりを見つめることで今を楽しく生きる活動」と提言します。

　起業の背景にあるのは、銀行員として働いた18年間の経験。デジタル化についていけず、困っている年配の人を大勢目にしてきました。
　「銀行の規則の中ではどうにもできないというところで、お客さまと泣いたり笑ったりしてきました。一例ですが、お子さんに預金を引き出してもらうにしても、同居していない、しかもお嫁に行って名字も違うとなると、『証明がいります』となってしまうんですね。ましてや、お子さまのいないご夫婦や、いわゆる『おひとりさま』にはさらにきつい時代。士業の方と連携して、きちんとした方法で手助けしたいと考えました」

　今や女性の半数以上、男性も4人に1人が90歳以上生きると言われる中、在宅医療・介護が推進されていきます。

　「よく『将来は蓄えたお金で施設に入れてもらう』なんて言いますけど、受け入れ先が見つからないことも。孤立しないためにも、気力・体力を養うことも含め、早いうちから備えていく自己防衛が必要なんです」

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