会社員のまま始める2030年勝ち組ビジネス|起業18フォーラム新井一代表が語る「今すぐ動くべき5つの理由と具体的戦略」
「60代での起業は遅い」は、最も多く聞いてきた"間違い"
――新井さん、今日は「60代からの起業」についてお聞きしたいと思います。相談に来られた60代の方は、最初に何とおっしゃることが多いですか?
新井:「遅すぎますよね……」って、ご自分で言ってしまう方がほとんどですよ(笑) でも、これ、現場で最も多く聞いてきた"間違い"のひとつです。遅くありません。むしろ、60代は起業のゴールデンタイムのひとつだと思っていますよ。
――「ゴールデンタイム」とは、励ましの言葉ではなくて?
新井:励ましじゃないですよ。60代の方には、「経験」「人脈」「信用」の3つが揃っているのです。起業の本質は「信用の積み重ね」です。そして、60代はその信用を最初から持った状態でスタートできる。これは若い人には絶対にない強みですよ。
――定量的な裏付けはありますか?
新井:日本の平均寿命は男性が81歳台、女性が87歳台です(令和6年の厚生労働省データ)。60歳で起業しても、20年以上にわたって事業を続けられる可能性がある。「遅すぎる」という根拠がどこにも見当たらないですよね。中小企業白書のデータでも、60歳以上の起業家の割合は1979年以降、男女ともに増加傾向にあります。60代の起業は時代の流れとも合っているのです。
60代の起業と40代の起業は、まったく別のゲーム
――でも、若いほうが気力・体力があって有利では?
新井:40代以下の起業は「これから知識もスキルも積み上げる」地点からのスタートです。失敗してもやり直せる時間があるぶん、試行錯誤が前提。一方、60代の起業は「すでに積み上げてきたものを活かす」起業ですよ。まったく別のゲームをしているんです。
――「積み上げてきたものを活かす」とは、具体的にどういうことでしょう?
新井:著書でも繰り返し書いていますが、「新しいことに挑戦する必要はない。自分の才能に気づく。まずはそれだけでいい」という考え方があります。30年以上働いてきた中で培った知識・判断力・人とのつながり……これをそのままビジネスにできます。飲食業界のベテランが飲食店開業コンサルを始めたり、製造業の品質管理の専門家が中小メーカー向けにアドバイスを始めたり。「新しいことを学んだ」わけじゃなく、「今あるものを形にした」だけです。
――確かに、そう考えるとハードルがぐっと下がりますね。
新井:そうでしょう? 発想を切り替えるだけで、景色がまったく変わりますよ。
失敗しやすい2つのパターン
――60代特有の落とし穴はありますか?
新井:2つあります。1つ目は、「大きく始めようとすること」。退職金や貯蓄がある程度あるせいか、最初から事務所を借りたり、設備に投資したりして、お客様が来る前にコストが膨らんでしまうケースがよくあります。起業は最初に極限まで小さく始めるのが鉄則ですよ。
――退職金があると、つい勢いが出てしまいますよね……。
新井:そうなんです。でも、退職金を全額つぎ込むような起業の仕方は避けてほしいですね。「返ってこなくても生活に影響しない範囲で始める」こと。これが大事です。
2つ目は「デジタルへの苦手意識を持ちすぎること」です。「SNSが使えないから集客できない」という声をよく聞くのですが、60代の起業は必ずしもSNSが主戦場じゃないんです。口コミ、紹介、既存の人脈を使った集客は、若い世代より60代のほうが圧倒的に強い。「人とのつながり」こそが、60代最強の集客ツールですよ。
定年前に始めるか、定年後に始めるか
――定年前と定年後で、起業準備のアプローチに違いはありますか?
新井:定年前、たとえば58〜59歳からの準備は、まだ会社員の収入がある状態で動けるのが大きなアドバンテージです。起業準備として小さくテストしながら、定年と同時に本格始動するのが一番リスクの小さい形です。定年の1〜2年前から準備を始めることをおすすめしています。
――定年後からのスタートでも間に合いますか?
新井:全然間に合いますよ。ただ、どちらの場合も最初の目標は「生活費を賄う月収」じゃなくて、「まず1人のお客様を見つけること」です。「起業に成功も失敗もない。続けるかやめるかだけ」という言葉をよく使うのですが、最初の一歩を踏み出すことがすべてで、そこからしか何も始まらないですよ。
60代起業で成功する人たちに共通すること
――最後に、60代でうまくいっている人たちの共通点を教えていただけますか?
新井:大きく3つあります。まず、自分のこれまでの経験をビジネスの核にしていること。新しいことを学んで始めるのではなく、「今あるものを形にした」だけです。次に、小さく始めていること。コンサルや講師業であれば、パソコン1台でスタートできます。固定費を最小化して、リスクを徹底的に小さくしている。
――3つ目は?
新井:「続けることを前提にしていること」です。「ビジネスなんて1勝9敗が普通」という感覚を持っているから、最初からうまくいかなくても修正しながら続けられる。60代には60代にしかない価値があります。その価値を活かした起業が、これからますます広がっていきますよ。
――今日はとても力強いお話を聞かせていただきました。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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