会社員が起業しやすい時代に「それでもやれない」と言う人の頭が良すぎる理由|起業18フォーラム代表・新井一氏が語る「セカンドペンギン起業術」と無限の可能性

新井一

新井一

テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

今の時代ほど起業しやすい環境はない

月数千円でAIを使える夢のような時代

――新井さん、今日は貴重なお時間をありがとうございます。25年以上にわたって延べ60,000人の起業支援をされてきた新井さんから見て、今の時代の起業環境はどのような状況でしょうか?

新井:こちらこそ、ありがとうございます。はっきり言いますが、今の時代ほど、会社員が起業しやすい環境はありません。僕らが始めた時代と比較すると、本当に夢のような話なのです。

――具体的には、どのような変化があったのでしょうか?

新井:昔は限られた人だけが持っていた情報や技術に、今は誰でもアクセスできるようになりました。月数千円でChatGPTのような最先端AIを使えるなんて、僕らの時代では考えられませんでしたからね。

――確かに、AI技術の民主化は革命的ですね。

新井:それだけではありません。YouTubeで職人の技術を学べて、クラウドファンディングで資金調達もできる。スマホがあれば、世界中の情報にアクセスできるし、SNSで顧客とも直接つながれる。これらすべてが、ほぼ無料で手に入るのです。

頭が良すぎる人ほど考えすぎてしまう現実

――そんな恵まれた環境があるにも関わらず、まだ起業に踏み切れない人も多いのですが。

新井:そうなのです。ここまで条件が整っているのに、まだ「やれない」って言ってる人がいますね。頭が良すぎるのだと思います。あれこれ考えちゃって、リスクがいっぱいだと思ってしまうのですよ。

――リスクについて、どのように考えるべきでしょうか?

新井:でもそういう人って、外出する時に交通事故に遭うリスクは考えないのでしょうか? なぜ起業になるとそんなことばかり考えちゃうのでしょうね。これは興味深い心理現象だと思います。

――確かに、日常生活では当たり前に受け入れているリスクなのに、起業となると過度に心配してしまいますね。

新井:まさにそこなのです。僕は長年この業界にいて思うのですが、優秀な会社員ほど、この「リスク過大評価」に陥りやすい傾向があります。

「セカンドペンギン」でも十分にチャンスがある時代

ファーストペンギンにならなくても大丈夫

――起業といえば、よく「ファーストペンギンになれ」と言われますが、新井さんはどうお考えですか?

新井:昔はよく「ファーストペンギンになれ」って言われましたよね。最初に飛び込む人、最初に始める人のことを言う。1人が行くと後からどんどん飛び込んでくるけど、そういう人はチャンスをつかめないと。

――確かに、先駆者であることが重要視されていました。

新井:でも今はファーストでもセカンドでも、サードでもいいかな。スタートアップなんて、今あるものをよりよくすればいいだけなのですよ。

――既存のものを改良するだけでも十分ということですね?

新井:そうです。大企業や既存の成功者は変化に弱い。今あるものを守ろうとする。だからこそ、これから始めるのですから最初から違うものを作ればいい。大きく違う必要はないのですよ。改良してより良くすればいいのです。

変化に弱い大企業の隙間がチャンス

――大企業が変化に弱いというのは、どのような理由からでしょうか?

新井:大企業は組織が大きいので、新しいことを始めるのに時間がかかります。会議、稟議、承認…いろいろな段階を踏まなければならない。でも個人や小さなチームなら、思いついたその日に始められます。

――スピード感の違いが大きなアドバンテージになりますね。

新井:まさにそうです。しかも、今はAIやクラウドサービスのおかげで、個人でもかつての大企業並みのことができるようになりました。この環境を活かさない手はありません。

可能性無限大の時代に突入

小さな改良から始まる大きな成功

――これから起業を考えている会社員の方へ、どのようなアドバイスをされますか?

新井:可能性は、無限大ですね。本当にそう思います。今の環境を考えれば、やらない理由を探す方が難しいくらいです。

――具体的には、どのようなところから始めるのがよいでしょうか?

新井:まずは身の回りの不便を解決することから始めてみてください。自分が困っていることは、きっと他の人も困っている。それを解決する小さなサービスを作ってみる。最初は月数千円でも構いません。

――小さく始めることが重要ということですね。

新井:そうです。起業18フォーラムでサポートしている方々を見ていても、最初は本当に小さなことから始めています。でも継続していくうちに、どんどん大きくなっていく。その過程が面白いのです。

完璧を求めず、まず始めることの重要性

――完璧主義の方が陥りがちな罠はありますか?

新井:ありますね。準備ばかりして、なかなか始められない人が多い。でも起業は「習うより慣れろ」の世界です。やりながら学ぶ方が、圧倒的に早く成長できます。

――不完全でも始めることの価値は何でしょうか?

新井:市場からの反応が得られることです。自分では完璧だと思っていても、お客さんが求めているものと違うことがよくあります。早めに市場に出して、フィードバックをもらいながら改善していく。これが成功への最短ルートです。

――今の時代だからこそできることですね。

新井:SNSがあるので、簡単にお客さんの声を聞けますからね。テストマーケティングも以前より格段にやりやすくなりました。これらのツールを活用しない手はありません。

会社員の強みを活かした起業戦略

――会社員ならではの強みを起業に活かす方法はありますか?

新井:たくさんありますよ。まず、安定した収入があるので、リスクを取りやすい。それに、会社で培ったスキルや人脈は貴重な資産です。

――具体的にはどのようなスキルが活かせるでしょうか?

新井:営業スキル、マネジメント経験、業界知識…すべてが武器になります。特に、会社では当たり前のことでも、個人事業主にとっては貴重なノウハウだったりします。

――最後に、これから起業を考えている会社員の方へメッセージをお願いします。

新井:これだけ恵まれた環境は、人類史上初めてです。迷っている時間がもったいないです。まずは小さく始めてみてください。きっと想像以上の可能性が見えてくるはずです。起業18フォーラムでも、そんな仲間たちと一緒に楽しみながら成長していける環境を作っています。

――素晴らしいお話をありがとうございました!

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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