会社員が好きなことで起業して失敗しない3つの鉄則｜起業18フォーラム代表・新井一氏が明かす「感情と論理のバランス」で成功確率を高める方法
起業家インタビュー（聞き手：伊藤純子）
起業成功には「最低条件」がある
――新井さんは25年間で6万人もの起業希望者を見てこられましたが、成功する人と失敗する人の違いはどこにあるのでしょうか？
新井：いきなり核心的な質問ですね（笑）。実は、起業で成功するためには「これだけは絶対に外せない」最低条件が3つあるのです。この3つをクリアできない人が、残念ながら99%なのが現実です。
――99%も！ それは驚きですね。具体的にはどのような条件なのでしょうか？
新井：1つめは月10万円に到達すること、2つめは心と肉体への負荷を適切にコントロールすること、3つめは成果を約束できる商品を作ることです。「え、そんなの当たり前じゃない？」って思われるかもしれませんが、この「当たり前」ができていない人がほとんどなのです。
「年収1億円」より「月10万円」を目指せ
まずは生活費レベルから始める現実的アプローチ
――最初の条件である「月10万円」について、詳しく教えていただけますか？
新井：起業セミナーでよく「年収1億円目指します！」って声を聞くのですが、実際の生活費はいくらですか？ そんなに使ってませんよね（笑）。「まずは生活費＋α」を目標にする方が現実的なのです。
――確かに、いきなり高い目標を設定しがちですね。
新井：そうなのです。生活費が確保できていないと、焦りが生まれます。焦ると判断を間違えます。起業18フォーラムで成功している方々の共通点は、まず月10万円の達成を目指すことから始めることです。華やかさはないけれど、これが現実的で確実なアプローチなのです。
――「起業＝一発逆転」というイメージを持つ人も多いと思いますが。
新井：それは大きな間違いです。起業は地味な積み重ねの世界。まずはこの3つの最低条件をしっかり押さえることから始めることが重要ですね。
頑張り過ぎは禁物！負荷コントロールの重要性
継続できなければ成功はない
――2つめの条件である「負荷コントロール」について聞かせてください。
新井：「起業は死ぬ気でやらないと成功しない！」確かにそう言いたい気持ちもあります。実際、本気でやっている人ばかりですから。でも、やり過ぎてもダメなのです。日本は頑張って成功した人に冷たい、足の引っ張り合い社会ですからね。
――具体的にはどのような負荷があるのでしょうか？
新井：気にし過ぎると鬱になります。心が病んでしまったら、継続できません。継続できなければ成功はありません。身体の負荷もありますね。私も創業時は何年も連続でお正月に救急病院に搬送されたことがあります。頭が割れるように痛くなって、血管がドクドクして切れそうな感じがしました。
――それは大変でしたね。負荷をコントロールするコツはありますか？
新井：緊張が続くと判断力が鈍ります。判断力が鈍ると良いアイデアも浮かびません。負荷コントロールのコツとしては：
- 1日の作業時間を決める
- 週1日は完全オフの日を作る
- 家族や友人との時間も大切にする
――「そんなぬるいことでいいの？」と思われそうですが。
新井：まさにその通りです（笑）。でも、この程度ですらできないものなのです。
「すごい商品」より「悩みを解決する商品」
成果を約束できる商品作りのポイント
――3つめの「成果を約束できる商品を作る」が一番重要とのことですが。
新井：「成果を約束できる」って大げさに聞こえるかもしれませんが、要は「やります」と言ったことを確実にやれる商品・サービスということです。「すごい商品」である必要はなく「悩みを解決してくれる商品」なのです。
――具体的にはどのようなことでしょうか？
新井：相手の困りごとを解決する、自分ができる範囲で約束する、確実に実行する。世の中のビジネスは全部これです。でも多くの人が「もっと複雑で高度なことをしなきゃ」って勘違いしてしまうのです。
成功への階段は1段ずつ登るもの
小さく始めて確実に実行する
――起業18フォーラムでゼロから成果を出す人の共通点はありますか？
新井：はい、明確にあります。1つめは最低条件を確実にクリアしていること、2つめは小さく始めて確実に実行していること、3つめはお客様の声を聞いて改善を続けていることです。
――「月収100万円」や「年商1億円」を目指すのも、この延長線上にあるということですね。
新井：その通りです。まずは月10万円を稼ぐ。その次に月100万円を稼ぐ。全部、同じことの繰り返しです。規模が大きくなるだけ。成功する人ほど「すごくない」ところから始めています。
――最後に、これから起業を考えている会社員の方にメッセージをお願いします。
新井：難しいことをやろうとしない、原理原則から外れない、小さく始めて確実に実行する。この3つを愚直に続けた人が、最終的に大きな成功を手にしているのです。華やかさはないかもしれませんが、確実な道のりですよ。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援＆集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン（起業18フォーラム）の受講者は年間のべ1000人を超える。
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