起業アイデアのよくある相談と相談先、内容などについて
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
はじめに
今回は、起業18フォーラム代表で、延べ6万人超の会社員の起業をサポートしてきた新井一氏にお話を伺いました。「起業したいけれど、何から始めたらいいかわからない」という悩みを抱える会社員の方々に向けて、実践的なアドバイスをいただきました。
起業準備の新常識:「できることしかできない」
新井さん、起業準備で最も大切な考え方は何でしょうか?
新井:多くの方が起業と聞くと、何か特別なことをしなければいけないと思い込んでしまうんです。でも実は、「あなたにとって簡単なものを選ぶ」ことが最も重要なんですよ。
簡単なもの、というのは具体的にはどういうことでしょうか?
新井:
- 新しいことをしない
- 特別なことをしない
- でかいことをしない
- 向いていないことをしない
この4つの「しない」を徹底することです。みんな「起業=革新的なことをする」と勘違いしているんですが、実際は全く逆なんです。
起業に必要な3要素とは?
起業に必要な要素について教えてください。
新井:起業には3つの要素が必要です。知識、お金、人財ですね。そして、それぞれに成功の3フェーズがあるんです。
知識・スキルなら「学習→経験→購入」の順番。お金なら「種銭→借入→設備投資」。人財なら「自分一人→外部パートナー→社員・アルバイト」という段階を踏んでいきます。
いきなり大きなことを始める必要はないということですね?
新井:その通りです! 最初は「会社員のまま、お金をかけず、仕組みを作る」ことから始めればいいんです。私自身も1996年に4,500円から始めましたから。
ビジネスアイデアは「理想の働き方」から逆算する
ビジネスアイデアはどうやって見つければいいのでしょうか?
新井:多くの人は「何を売ろうか」から考えがちですが、実は順番が逆なんです。まず「理想の働き方を決める」ことから始めるべきです。
理想の働き方、ですか?
新井:はい。例えば、
- 自宅で働きたい
- ハワイに年3ヵ月は行きたい
- 人間関係がめんどくさい
- 週2日だけ働きたい
- 午前中だけ働きたい
- 満員電車はイヤ
こういった本音の部分から考えるんです。そうすると、自然とそれを実現できるビジネスモデルが見えてきます。
救済したい人と救済手段を明確にする
理想の働き方の次は何を考えればいいのでしょうか?
新井:次に「救済したい人」と「救済手段」を決めます。救済したい人というのは、何かに困っている人、何かを楽しみたい人、社会的弱者などですね。
救済手段は4つあります。
- モノを与える
- 代わりにやってあげる
- 知恵を授ける
- 場所、機会、人脈を与える
この組み合わせでビジネスアイデアが生まれるんです。
「上りエスカレーター」に乗ることの重要性
起業で成功するためのコツはありますか?
新井:「身の回りの上りエスカレーターを探す」ことが非常に重要です。つまり、時代の流れに乗るということですね。
上りエスカレーターとは、具体的にはどのようなものでしょうか?
新井:
- 増えるもの
- 減るもの
- 好かれるもの
- 嫌われるもの
- 法律の変化
- 技術の変化
- 大企業の変化
こういった変化を敏感に察知して、その流れに乗ることです。愚か者は世界を目指しますが、賢い人は時代の流れを読むんです。
会社員を簡単に辞めてはいけない理由
起業準備中の会社員が気をつけるべきことはありますか?
新井:絶対に「会社員を簡単に辞めないこと」です。会社員でいることのメリットは計り知れません。安定した収入があるからこそ、リスクを取って新しいことにチャレンジできるんです。
最後に、起業を考えている会社員の方にメッセージをお願いします。
新井:大切なのは、
- できることしかできない
- 続けられることしか成功しない
- 上りエスカレーターに乗る
- 考えすぎない
- 感覚でやらないでデータで調べる
この5つを意識してください。そして何より、小さく始めることです。大きな成功は、小さな一歩の積み重ねから生まれますから。
まとめ
新井さんのお話から、起業は特別なことではなく、「会社員のまま、身の丈に合った小さな一歩から始める」ことが成功の秘訣だということがよくわかりました。理想の働き方から逆算してビジネスアイデアを考え、時代の流れを読みながら、着実に準備を進めていく。この実践的なアプローチが、多くの会社員の起業成功につながっているのですね。
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